隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

ミステリー

十二人の死にたい子どもたち

冲方丁氏の十二人の死にたい子どもたちを読んだ。ある目的をもって廃棄された病院に集った六人の少年と六人の少女。合わせて十二人。なぜ、彼らの人数を十二人にしたのかは、「怒れる十二人の男たち」に合わせて作者は十二人にしたのだろう。登場人物からは…

さらば愛しき魔法使い

東川篤哉氏の「さらば愛しき魔法使い」を読んだ。本書は魔法使いマリィシリーズの三巻目。本巻には以下の四編が収録されている。 魔法使いと偽りのドライブ 弁護士の犯罪 魔法使いと聖夜の贈り物 映画評論家の犯罪 魔法使いと血文字の罠 バーオーナーの犯罪 …

魔法使いと刑事たちの夏

東川篤哉氏の「魔法使いと刑事たちの夏」を読んだ。こちらは魔法使いマリィシリーズの2作目。前作の最後で、マリィーは小山田刑事の家に住むことになったのだが、本書ではその通りに、無駄に大きく近所の悪ガキからは幽霊屋敷と呼ばれている家に家政婦とし…

魔法使いは完全犯罪の夢を見るか?

東川篤哉氏の「魔法使いは完全犯罪の夢を見るか?」を読んだ。本書は魔法使いと刑事が登場するミステリーだ。魔法使いが登場してミステリーが成立するのだろうかという危惧もあるが、本書は倒叙ミステリーになっていて、犯人自体は物語の最初で明らかになって…

キネマ探偵カレイドミステリー

斜線堂有紀氏のキネマ探偵カレイドミステリーを読んだ。タイトルから分かるように映画を題材にしたライトなアームチェアーディテクテブミステリー。短編が4編収録されている。大学生の奈緒崎はドイツ語の単位を救済してもらう代わりに、教授から引きこもりの…

図書館の魔女 烏の伝言

高田大介氏の図書館の魔女 烏の伝言を読んだ。本書も厚く、658ページもある大ボリュームだ。ただ、本作は上下巻ではなく、本巻のみ。前作の図書館の魔女の終わりの所は次に続く物語のプロローグ的な感じになっていたので、その続きの話なのだろうかとも思っ…

ひとり吹奏楽部 ハルチカ番外篇

初野晴氏のひとり吹奏楽部 ハルチカ番外篇を読んだ。映画が公開されたから、それに合わせて出版されたのだろうと想像する。4編プラス短い掌編が収録されていて、番外編と銘打つだけあって、普門館を目指す吹奏楽部の活動から離れて、吹奏楽部のメンバーから…

ロートケプシェン、こっちにおいで

相沢沙呼氏のロートケプシェン、こっちにおいでを読んだ。本書は午前零時のサンドリヨンの続編だ。本書も連作短編となっており、5編が収録されているのだが、メインのストーリーの前に「トモ」と呼ばれている少女のモノーローグ文が挿入されており、その少女…

午前零時のサンドリヨン

相沢沙呼氏の午前零時のサンドリヨンを読んだ。本作は第十九回鮎川哲也賞受賞作だ。本書には四編が収められており、連作短編の形式になっている。 高校一年の須川が一目ぼれしたクラスメート酉野初はマジシャンだった。レストランバー「サンドリヨン」で客に…

真実の10メートル手前

米澤穂信氏の真実の10メートル手前を読んだ。これも語り手の視点は作品ごとに異なるが、大刀洗万智シリーズの作品だ。短編集で6作品収録されており、表題作の「真実の10メートル手前」のみが新聞社勤務時代の設定で、それ以外は新聞社を辞めてフリーになった…

王とサーカス

米澤穂信氏の王とサーカスを読んだ。さよなら妖精から10年後、大刀洗万智は務めていた東洋新聞社を辞め、フリーのジャーナリストになったばかりだった。フリージャーナリストとして雑誌の旅行記事の仕事をする予定になっていたが、仕事が始まるまでまだ時間…

さよなら妖精

米澤穂信氏のさよなら妖精を読んだ。主な登場人物は守屋路行、大刀洗万智、白河いずる、文原竹彦、そしてマーヤ。守屋と大刀洗は雨の降る日に偶然雨宿りしていたマーヤと出会う。そこから物語が始まった。だが、語られる物語は時間軸をさかのぼることになる…

向こう側の遊園

初野晴氏の向こう側の遊園を読んだ。本書は何とも不思議なミステリーだ。閉演して打ち捨てられた遊園地の花園を管理するする青年がいる。その花園には動物のための秘密の霊園があり、青年が管理している。青年は依頼者から話を聞き、埋葬する代わりに一番大…

最長不倒距離

都筑道夫氏の最長不倒距離を読んだ。本書は物部太郎シリーズの2作目だ。この本も過去の何度か読んでいるが、久しぶりに読み返してみた。 一作目の最後の所で、物部太郎の父親が勝手に引き受けてしまった捜査をするために、片岡直次郎と物部太郎は長野県のス…

七十五羽の烏

都筑道夫氏の七十五羽の烏を読んだ。この本は既に数回読んでおり、今回久しぶりに読んだ。 ものぐさ太郎の子孫を自称する働くことが大っ嫌いな物部太郎が、父親からの働けというプレッシャーをかわすために、何でも屋の片岡直二郎に依頼して開設したゴースト…

風ヶ丘五十円玉祭りの謎

青崎有吾氏の風ヶ丘五十円玉祭りの謎を読んだ。本書も裏添天馬シリーズの一編だが、連作短編になっており、時間軸は第一作目の後から第三作目の直前となっている。収録されているのは5遍プラスおまけとなっており、最後の一編だけは天馬の妹の鏡華が主人公…

水族館の殺人

青崎有吾氏の水族館の殺人を読んだ。本書は裏染天馬シリーズの第二作目で、タイトルから分かるように今度の現場は水族館になっている。 風ヶ丘高校の新聞部が地元の水族館を取材しているたその時に殺人は起こった。それは展示されているレモンザメの水槽に人…

体育館の殺人

青崎有吾氏の体育館の殺人を読んだ。本書は第22回鮎川哲也賞受賞作品で、裏染天馬シリーズの第一作目だ。 殺人事件は放課後の旧体育館で起きた。放送部部長が幕が下りていたステージ上で何者かに刺殺されていたのだ。ステージ袖には2か所の出口が体育館外に…

図書館の殺人

青崎有吾氏の図書館の殺人を読んだ。体育館の殺人と水族館の殺人と並んでいたのだが、目当ての本が図書館の殺人だったので、こちらから読み始めてしまった。よく調べてから読めばよかったと、若干後悔した。これらは同一シリーズなので、順番に読んだ方がい…

片桐大三郎とXYZの悲劇

倉知淳氏の片桐大三郎とXYZの悲劇を読んだ。本作は難聴により引退した大物俳優片桐大三郎が名探偵を務めるミステリーだ。4編収録されていて、 ぎゅうぎゅう詰めの殺意。満員電車から降りた男が転倒し、死んでしまった。どうやら満員電車の中で、背後から、ニ…

喪失

モー・ヘイダーの喪失(原題 gone)を読んだ。本書はハヤカワポケットミステリーの一冊で、版型は新書サイズであるが、上下二段組みになっていて、480ページ以上あるので読みごたえがあった。 ストーリはカージャックの発生から始まる。警察は最初単純なカージ…

ハルさん

藤野恵美氏のハルさんを読んだ。本作は、ちょっと頼りなさそうなビスクドールの人形作家の父親春日部晴彦(通称ハルさん)が娘の風里(通称ふうちゃん)の子育て中に遭遇したちょっと不思議な謎を解く日常のミステリー。その謎を解くのは、もうこの世にはいない…

惑星カロン

初野晴氏のハルチカシリーズの第五作目、惑星カロンを読んだ。本書には、「チェリーニの祝宴 ―呪いの正体―」、「ヴァルプルギスの夜 -音楽暗号―」、「理由ありの旧校舎 -学園密室?-」、「惑星カロン -人物消失-」の四編が収録されている。今回は、各編…

千年ジュリエット

初野晴氏のハルチカシリーズ4冊目を読んだ。本作では普門館を目指す吹奏楽部の活動はちょっと小休止で、高校二年の秋の文化祭にまつわるストーリ4作が収録されている。 「エデンの谷」(アニメ11話)は草壁信二郎の恩師である山辺富士彦が残したピアノ、ベーゼ…

空想オルガン

初野晴氏の空想オルガンを読んだ。ハルチカシリーズの3作目。本作には「ジャバウォックの鑑札」(アニメ第10話)、「ヴァナキユーラー・モダニズム」(アニメ第4話)、「十の秘密」、「空想オルガン」が収録されている。本書では高校2年生の夏の吹奏楽B部門の東…

初恋ソムリエ

初野晴氏の初恋ソムリエを読んだ。ハルチカシリーズの2作目。本書には「スプリングラフィ」(アニメ第6話)、「周波数は77.4MHz」(アニメ第7話)、「アスモデウスの視線」(アニメ第9話)、「初恋ソムリエ」(アニメ第8話)が収録されている。 「スプリングラフィ」…

退出ゲーム

初野晴氏の吹奏楽部+日常の謎のミステリー。2016年の1-3月期にアニメ化されて、アニメの方を先に見て、興味を持って読んでみた。このブログを書いている時点で、3作目まで読んだが、アニメ化するに当たり、原作から「吹奏楽部」成分と「高校生」成分を若干…

哲学探偵

鯨統一郎氏の哲学探偵なのだが、これも随分前(2012年12月)に購入し、最初の一編だけ読んで、放置していたもの。なぜ、すぐに全部読まなかったのか、記憶になかったのだが、今回改めて全編読み返してみて、その理由がわかった。 本作品はユーモア推理に分類さ…

探偵部への挑戦状 - 放課後はミステリーとともに2

東川篤哉氏の鯉ヶ窪学園探偵部シリーズの一冊で、放課後はミステリーとともにの続編。こちらも、霧ヶ峰涼が主人公になっている。こちらも、NHK FMの青春アドベンチャーでドラマ化されていて、そちらを先に聞いていたので、内容はだいたい知っていたが、「霧…

放課後はミステリーとともに

こちらは東川篤哉氏の鯉ヶ窪学園探偵部の別シリーズで、主人公は霧ヶ峰涼だ。NHK FMの青春アドベンチャーで放送されて、何度か聞いていたので、ラジオのストーリーは覚えていると思っていたのだが、いくつか記憶違いをしていた。 石崎先生は最初から探偵部の…

殺意は必ず三度ある

東川篤哉氏の鯉ヶ窪学園探偵部シリーズ第二作目。今回は野球部を舞台にした殺人事件が起こる。まず、鯉ヶ窪学園野球部のベースが盗まれたのが事件の発端となる。その後、野球部のライバル校である飛龍館高校との練習試合の日に、鯉ヶ窪学園野球部監督の他殺…

学ばない探偵たちの学園

東川篤哉氏の「鯉ヶ窪学園探偵部」シリーズの第一作目だ。このシリーズはNHK FMの青春アドベンチャーで「放課後はミステリーとともに」「放課後はミステリーとともに2 探偵部への挑戦」で何とはなくは知っていたが、4部作であることを最新知り、一作目から…

虚構推理

この本も買ったのは半年ぐらい前で、ようやく時間がとれて読むことができた。 どこでこの本を目にしたのか記憶が定かでないが、タイトルに惹かれて購入した。「虚構の推理とはなんなのだろう」と。あと、作者が雨月物語に着想を得たいうようなことを書いてい…

涙香迷宮

購入したのは約一か月前で、ようやく読むことができた。著者の名前だけで購入を決めたので、まさか牧場智久・武藤類子シリーズの一編だとは知らなかった。タイトルにもある通り、黒岩涙香をベースに、連珠、いろは歌、それらを組み合わせた暗号、そしてもち…