隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

歴史

江戸時代役職事典

江戸時代役職事典を読んだ。タイトルは「江戸時代役職事典」となっているが、中身は「役職編」、「制度編」、「ひとと役職編」に分かれている。また、巻末に「江戸幕府役職要覧」が付録として採録されているが、この要覧に列挙されているすべての役職が、前…

軍需物資から見た戦国合戦

盛本昌広氏の軍需物資から見た戦国合戦を読んだ。本書では軍需物資の中で主に木材という観点から戦国時代の合戦を研究した本である。あくまでも本書の主役は軍需物資なので、具体的な合戦の進行に関しては多くは語られていない。木・竹は様々な用途で合戦に…

慶安の触書は出されたのか

山本英二氏の慶安の触書は出されたかを読んだ。タイトルから推測するに、慶安の触書は出されなかったというのが筆者の主張であろうというのは読む前にわかってたが、では「慶安の触書」と呼ばれていたものは一体何だったのだろう?後世につくられた偽書なのだ…

一次史料にみる関ヶ原の戦い(改訂版)

高橋陽介氏の一次史料にみる関ヶ原の戦い(改訂版)を読んだ。本書は2015年に自費出版した「一次資料にみる関ヶ原の戦い」を増補・改定した本である。著者は一次資料を読む際の心がけとして、 関ヶ原の戦いが徳川と豊臣の戦いであるという先入観、あるいは関ヶ…

経済で読み解く明治維新

上念司氏の経済で読み解く明治維新を読んだ。経済で読み解く織田信長 - 隠居日録が面白かったので、こちらも読んでみた。実際の出版順はこちらの方が先だ。この本もそれなりに面白かったのだが、織田信長ほどは面白くなかった。 疑問に思ったところ P45に財…

戦国大名の「外交」

丸島和洋氏の戦国大名の「外交」を読んだ。ここで外交の部分が「外交」となっているのは、混乱を避けるためで、戦国期の大名を一つの国家とみなして、大名同士の交渉を外交としているからで、戦国大名が外国の国と独自に行っていた外交の話ではないからであ…

経済で読み解く織田信長

上念司氏の『経済で読み解く織田信長 「貨幣量」の変化から宗教と戦争の関係を考察する』を読んだ。この本は非常に興味深い本だった。本書は約290ページほどあるのだが、織田信長が登場するのは224ページ目からなのだ。では、それまで何を語っているかという…

「司馬遼太郎」で学ぶ日本史

磯田道史先生の「司馬遼太郎」で学ぶ日本史を読んだ。タイトルの通り、司馬遼太郎の作品を肴に磯田先生が戦国時代、幕末・明治、そして、司馬遼太郎をして鬼胎と言わしめた戦前の昭和を語る読み物だ。 「国盗り物語」 まず俎上に上がるの国盗り物語だ。磯田…

参勤交代

山本博文氏の参勤交代を読んだ。目次 参勤交代制度の成立 参勤の手続き 参勤交代中のトラブル 明石源内寝覚鉄砲 他藩とのすれ違い 脇本陣をめぐるトラブル 参勤交代の終焉 参勤交代制度の成立 徳川家康は当初必ずしも全国の大名と主従関係を結んでいたわけで…

応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱

呉座勇一氏の「応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱」を読んだ。「日野富子は我が子を将軍にしようと画策して乱を引き起こした」などという説も、最近では違ってきているようで、日野富子の影響も限定的であったらしい。尤も自分の子を将軍にしたかったことは確…

鉄砲隊と騎馬軍団

鈴木眞哉氏の 鉄砲隊と騎馬軍団 真説・長篠合戦を読んだ。この本には今まで疑問に思っていたことに対するズバリの回答を提示されたという印象だ。「真説・長篠合戦」という副題がついているが、長篠の合戦の個々の詳細を語る本ではなく、長篠の合戦において…

籠城 戦国時代に学ぶ逆境のしのぎ方

榎本秋氏の籠城 戦国時代に学ぶ逆境のしのぎ方を読んだ。この本も「いったい戦国時代はどのように兵士は戦っていたのだろうかという」疑問の答えを探すために読んだ。本書は第一部と第二部という構成になっており、第一章には「城の分類と歴史」、「城の作り…

「戦闘報告書」が語る日本中世の戦場

鈴木眞哉氏の 「戦闘報告書」が語る日本中世の戦場を読んだ。いつのころだろうか覚えていないのだが、いったい戦国時代はどのように兵士は戦っていたのだろうかという疑問が湧いてきて、それに関して本を読んで調べている。それで、自分の興味を満たすため…

「火附盗賊改」の正体

丹野顯氏の「火附盗賊改」の正体を読んだ。2017年の1月からアニメで鬼平を放送していて、それを見たら2つほど気になるところがあり、本書で調べてみた。気になったところとは、(1)長谷川平蔵が自分のことを「火付盗賊改めの長官」といったところと、(2)屋敷…

図説「合戦図屏風」で読み解く!戦国合戦の謎

小和田哲男氏監修の図説「合戦図屏風」で読み解く!戦国合戦の謎を読んだ。この本を読む前は、合戦図屏風から「戦国合戦の謎」が読み解けるのかと思ったのだが、実はそんなに単純な話ではなく、やはり謎は謎のままであった。 「はじめに」に以下のように書か…

知らないと恥をかくアフリカの問題 (記事一覧)

ジャーナリストの松本 仁一氏がNHKラジオ第二の「カルチャーラジオ 歴史再発見」で話していた「アフリカは今~カオスと希望と」の記事の一覧のページ。放送は2016年の4月から6月にかけて放送されていた。 知らないと恥をかくアフリカの問題 (子供兵) - 隠居…

殿様の通信簿

磯田道史氏の殿様の通信簿を読んだ。本書のベースになっているのは「土芥寇讎記」という元禄期に書かれた書物である。これは公儀の隠密が探査してきた諸大名の内情を幕府の高官がまとめたものということである。土芥寇讎記には当時の大名234名の人物評価を載…

知らないと恥をかくアフリカの問題 (イスラム過激派の登場)

NHKラジオ第二の「カルチャーラジオ 歴史再発見」で放送されていた「アフリカは今~カオスと希望と」の第十二回目。紀元2000年を過ぎてイスラム過激派が登場してきた。 知らないと恥をかくアフリカの問題 記事一覧 prozorec.hatenablog.com ナイジェリア ナ…

江戸の経済事件簿

赤坂治績氏の江戸の経済事件簿を読んだ。タイトルから江戸時代に起きた金銭絡みの事件に関して例を挙げて解説している本かと思ったのだが、実際は「事件簿」というほど事件に関しては解説しておらず、著者の得意分野である歌舞伎の戯作や草子などからいくつ…

藤原道長の権力と欲望 - 「御堂関白記」を読む

倉本一宏氏の藤原道長の権力と欲望を読んだ。本書は藤原道長が記した「御堂関白記」を中心に同時代に生きた藤原実資の「小右記」、藤原行成の「権記」を併用して、藤原道長がどのように権力の中枢に上り詰めたかが書かれている。 なぜ、平安貴族は日記を書い…

知らないと恥をかくアフリカの問題 (国の富の切り売り 中国の進出)

NHKラジオ第二の「カルチャーラジオ 歴史再発見」で放送されていた「アフリカは今~カオスと希望と」の第十一回目。崩壊状態になっている、あるいは崩壊に近い状態になっているアフリカに中国がどんどん入ってきているという話。 知らないと恥をかくアフリカ…

知らないと恥をかくアフリカの問題 (崩壊する国家ソマリア)

NHKラジオ第二の「カルチャーラジオ 歴史再発見」で放送されていた「アフリカは今~カオスと希望と」の第十回目。今回は東西冷戦終結がソマリアにもたらした問題。 知らないと恥をかくアフリカの問題一覧 prozorec.hatenablog.com 冷戦前後 冷戦の終結が1989…

知らないと恥をかくアフリカの問題 (作り出された対立 ルワンダ)

NHKラジオ第二の「カルチャーラジオ 歴史再発見」で放送されていた「アフリカは今~カオスと希望と」の第九回目。 知らないと恥をかくアフリカの問題 記事一覧 prozorec.hatenablog.com ルワンダでは千九九十四年に大虐殺が起きた。ルワンダの最大部族である…

知らないと恥をかくアフリカの問題 (農業への無策、飢餓のアフリカ エチオピア)

NHKラジオ第二の「カルチャーラジオ 歴史再発見」で放送されていた「アフリカは今~カオスと希望と」の第八回目。七回目までテキスト化して、そのあとすっかり忘れていた。 知らないと恥をかくアフリカの問題 記事一覧 prozorec.hatenablog.com 1960年代にア…

耳嚢

近世風俗志 - 隠居日録をamazonで検索したときに、「この商品を買った人は...」の所に耳嚢が出ていた。こちらは、上・中・下と三巻出ているようなのだが、amazon.co.jpにも楽天booksにもいまだに新品で在庫されている。出版から25年ぐらい経過しているのに、…

近世風俗志

守貞謾稿という書物がある。なんでこの書物の存在を知ったのか正確には覚えていないが、何かの本で読んだのだと思う。それもほんの2年ぐらい前だったのだから、まだまだ知らないことが多いものだと、嘆息する。 著者の喜田川守貞は幕末の人で、もともとは大…

天皇諡号が語る古代史の真相

関裕二氏監修の天皇諡号が語る古代史の真相を読んだ。本書は新書版なのだが、ページ数が466ページあり、通常の新書の二倍近くはあるので、読む場合はその点を注意する必要があると思う。また、最後まで読んで気づいたのだが、本書は関裕二監修になっていて、…

NHK第二 文化講演会 真田幸村と大坂の陣

久しぶりにNHKの太河ドラマ「真田丸」を一回目からずーと見ているのだが、NHK第二の文化講演会でシリーズ真田丸と称して、9月11日に以下のような放送をしていた。 www4.nhk.or.jp この中で面白かったところ。 信之の助命嘆願 本来なら首をはねられてもおかし…

武士に「もの言う」百姓たち

渡辺尚志氏の武士に「もの言う」百姓たち 裁判で読む江戸時代を読んだ。本書は第一部と第二部に分かれており、第一部は江戸時代の訴訟全般について解説しており、第二部は信濃松代藩真田家文書に残されていた南長池村での出入筋(民事訴訟)の記録をたどりなが…

刀の日本史

加来耕三氏の「刀の日本史」を読んだ。刀と見聞きすると、なんとなく日本刀のことを頭に思い浮かべていたが、本書に記述されているのは日本刀だけではなく、いわゆる剣も範疇に含まれている。そのため、まず神話(古事記・日本書紀)から始まり、古代の刀につ…