読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱

呉座勇一氏の「応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱」を読んだ。「富子は我が子を将軍にしようと画策して乱を引き起こした」などという説も、最近では違ってきているようで、日野富子の影響も限定的であったらしい。自分の子を将軍にしたかったことは確かなよう…

ITエンジニアのための機械学習理論入門

中井悦司氏のITエンジニアのための機械学習理論入門を読んだ。最近はやりの深層学習ではない機械学習なので、タイトル通り本当入門書といった感じだ。カバーしている内容も、 最小二乗法 最尤推定法 パーセプトロン ロジスティっク回帰とROC曲線 k平均法 EM…

Self-Reference ENGINE

円城塔氏のSelf-Reference ENGINEを読んだ。例外小説の中からピックアップした本の中の一冊である。 本作には22編の短編が収められており、それぞれ関連しているようで、関連していないかもしれない。同じ名前を与えられている登場人物が登場する話もあるが…

ケレスの龍

椎名誠氏のケレスの龍を読んだ。本人に訊く〈壱〉よろしく懐旧篇を読んだら、椎名氏の小説も久しぶりに読んでみたくなり、読書予定リストの中にあったケレスの龍を手にとってみのだ。 本作は、武装島田倉庫につながる世界の話で、半島での北南戦争後物語とな…

本人に訊く〈壱〉よろしく懐旧篇

椎名誠氏・目黒孝二氏の本人に訊く〈壱〉よろしく懐旧篇を読んだ。1995年前後だったと思うが、私はしきりに椎名氏の本を読んでいた記憶がある。気が付くともう20年以上昔の話だ。当時読んでいた本を含む大半の本は10年ちょっと前に、溜まり続ける書籍の山に…

歌丸 極上人生

桂歌丸師匠の歌丸 極上人生を読んだ。本書は2006年に刊行された「極上 歌丸ばなし」を2015年に文庫化する際に加筆・訂正して出版されたもの。歌丸師匠の生い立ちとか、落語家としての修業時代・笑点の話、趣味の話が書かれている。文章を読むと話し言葉にな…

イギリス英語は落とし穴だらけ

スティーブ・モリヤマ氏のイギリス英語は落とし穴だらけを読んだ。この前はてなブックマークを見ていたら、次のエントリーがあり、 <div class="hatena-bookmark-detail-info"><a href="http://www.independent.co.uk/news/uk/home-news/chart-shows-what-british-people-say-what-they-really-mean-and-what-others-understand-a6730046.html">Chart shows 'what the British say, what t…</a></div>

404 Not Found

法条遥氏の404 Not Foundを読んだ。例外小説で紹介されていた小説の中の一編だ。 池上裕也は2回死んだ。クラスメートの九条晶に告白し、振られ、そして父親の経営する会社のビルの屋上から飛び降りて、自殺した。しかし、なぜか同じ朝を3度繰り返してしまう…

鉄砲隊と騎馬軍団

鈴木眞哉氏の 鉄砲隊と騎馬軍団 真説・長篠合戦を読んだ。この本には今まで疑問に思っていたことに対するズバリの回答を提示されたという印象だ。「真説・長篠合戦」という副題がついているが、長篠の合戦の個々の詳細を語る本ではなく、長篠の合戦において…

ロートケプシェン、こっちにおいで

相沢沙呼氏のロートケプシェン、こっちにおいでを読んだ。本書は午前零時のサンドリヨンの続編だ。本書も連作短編となっており、5編が収録されているのだが、メインのストーリーの前に「トモ」と呼ばれている少女のモノーローグ文が挿入されており、その少女…

午前零時のサンドリヨン

相沢沙呼氏の午前零時のサンドリヨンを読んだ。本作は第十九回鮎川哲也賞受賞作だ。本書には四編が収められており、連作短編の形式になっている。 高校一年の須川が一目ぼれしたクラスメート酉野初はマジシャンだった。レストランバー「サンドリヨン」で客に…

砕け散るところを見せてあげる

竹宮ゆゆこ氏の砕け散るところを見せてあげる。本書の出だしは次の一文から始まる。 「つまりUFOが撃ち落されたせいで死んだのは二人」 竹宮ゆゆこ氏というととらドラ!のイメージが強かったのだが、これはSFなのかと誤解してしまった。本作は最初の方はラブ…

籠城 戦国時代に学ぶ逆境のしのぎ方

榎本秋氏の籠城 戦国時代に学ぶ逆境のしのぎ方を読んだ。この本も「いったい戦国時代はどのように兵士は戦っていたのだろうかという」疑問の答えを探すために読んだ。本書は第一部と第二部という構成になっており、第一章には「城の分類と歴史」、「城の作り…

真実の10メートル手前

米澤穂信氏の真実の10メートル手前を読んだ。これも語り手の視点は作品ごとに異なるが、大刀洗万智シリーズの作品だ。短編集で6作品収録されており、表題作の「真実の10メートル手前」のみが新聞社勤務時代の設定で、それ以外は新聞社を辞めてフリーになった…

王とサーカス

米澤穂信氏の王とサーカスを読んだ。さよなら妖精から10年後、大刀洗万智は務めていた東洋新聞社を辞め、フリーのジャーナリストになったばかりだった。フリージャーナリストとして雑誌の旅行記事の仕事をする予定になっていたが、仕事が始まるまでまだ時間…

さよなら妖精

米澤穂信氏のさよなら妖精を読んだ。主な登場人物は守屋路行、大刀洗万智、白河いずる、文原竹彦、そしてマーヤ。守屋と大刀洗は雨の降る日に偶然雨宿りしていたマーヤと出会う。そこから物語が始まった。だが、語られる物語は時間軸をさかのぼることになる…

「戦闘報告書」が語る日本中世の戦場

鈴木眞哉氏の 「戦闘報告書」が語る日本中世の戦場を読んだ。いつのころだろうか覚えていないのだが、いったい戦国時代はどのように兵士は戦っていたのだろうかという疑問が湧いてきて、それに関して本を読んで調べている。それで、自分の興味を満たすために…

日記堂ファンタジー

堀川アサコ氏の日記堂ファンタジーを読んだ。主人公は日記を売る店「日記堂」の女店主、紀猩子。何とも不思議な雰囲気を出している女性だ。狂言回しは、そこでアルバイトする3浪して大学生になった友哉。友哉は最初猩子が持っている茶畑で勝手に茶を摘み、そ…

いちいち“他人”に振り回されない心のつくり方

中島美鈴氏のいちいち“他人”に振り回されない心のつくり方を読んだ。私は隠居の身で、社会とはある種隔絶していて、他人に振舞わされるということはないのだが、「認知行動療法」というものにちょっと興味を覚えたので読んでみた。 本書では「同じ出来事なの…

壁の男

貫井徳郎氏の壁の男を読んだ。物語は栃木県北東部に位置するある町をフリーライターの鈴木が取材に訪れるところから始まる。その町は町全体の民家の壁に絵が描かれていることがSNSで拡散し、有名になっていた。しかしその絵は子供が書いたような稚拙な絵だっ…

「火附盗賊改」の正体

丹野顯氏の「火附盗賊改」の正体を読んだ。2017年の1月からアニメで鬼平を放送していて、それを見たら2つほど気になるところがあり、本書で調べてみた。気になったところとは、(1)長谷川平蔵が自分のことを「火付盗賊改めの長官」といったところと、(2)屋敷…

向こう側の遊園

初野晴氏の向こう側の遊園を読んだ。本書は何とも不思議なミステリーだ。閉演して打ち捨てられた遊園地の花園を管理するする青年がいる。その花園には動物のための秘密の霊園があり、青年が管理している。青年は依頼者から話を聞き、埋葬する代わりに一番大…

図説「合戦図屏風」で読み解く!戦国合戦の謎

小和田哲男氏監修の図説「合戦図屏風」で読み解く!戦国合戦の謎を読んだ。この本を読む前は、合戦図屏風から「戦国合戦の謎」が読み解けるのかと思ったのだが、実はそんなに単純な話ではなく、やはり謎は謎のままであった。 「はじめに」に以下のように書か…

ゼロから作るDeep Learning

斎藤康毅氏のゼロから作るDeep Learning ―Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装を読んだ。巷で良書として名高い本で、実際読んでみて、その評価には納得できた。この本に書かれていることが全て記憶に定着できているわけではないので、何かをすぐに作…

カムパネルラ

山田正紀氏のカムパネルラを読んだ。本書のタイトルから分かる通り、この小説は宮澤賢治の「銀河鉄道の夜」と密接に関係している。 我々の世界と似ているけれどもちょっと違った世界での物語。16歳のぼくは母の遺言を履行するために、新幹線で岩手県の花巻に…

最長不倒距離

都筑道夫氏の最長不倒距離を読んだ。本書は物部太郎シリーズの2作目だ。この本も過去の何度か読んでいるが、久しぶりに読み返してみた。 一作目の最後の所で、物部太郎の父親が勝手に引き受けてしまった捜査をするために、片岡直次郎と物部太郎は長野県のス…

七十五羽の烏

都筑道夫氏の七十五羽の烏を読んだ。この本は既に数回読んでおり、今回久しぶりに読んだ。 ものぐさ太郎の子孫を自称する働くことが大っ嫌いな物部太郎が、父親からの働けというプレッシャーをかわすために、何でも屋の片岡直二郎に依頼して開設したゴースト…

マーク・ピータセンの図解英文法入門

マーク・ピータセンの図解英文法解説を読んだ。未だにたまに英語熱が発生して、英語を勉強したくなるサイクルがたまにやってくる。今年の夏も、大西先生が昔NHK教育でやっていたハートで感じる英文法のビデオが出てきて(存在すらすっかり忘れていた)、改めて…

風ヶ丘五十円玉祭りの謎

青崎有吾氏の風ヶ丘五十円玉祭りの謎を読んだ。本書も裏添天馬シリーズの一編だが、連作短編になっており、時間軸は第一作目の後から第三作目の直前となっている。収録されているのは5遍プラスおまけとなっており、最後の一編だけは天馬の妹の鏡華が主人公…

作曲少女

仰木日向氏の作曲少女を読んだ。本書はどのように作曲するのかということをライトノベル形式で書いた本である。 登場人物は作曲に憧れる高校二年生の山波いろはと同級生の白黒珠美の二人。いろはは夢中になれる何かを探していて、作曲に取り組もうとしたが、…

水族館の殺人

青崎有吾氏の水族館の殺人を読んだ。本書は裏染天馬シリーズの第二作目で、タイトルから分かるように今度の現場は水族館になっている。 風ヶ丘高校の新聞部が地元の水族館を取材しているたその時に殺人は起こった。それは展示されているレモンザメの水槽に人…

完全独習ベイズ統計学入門

小島寛之氏の完全独習ベイズ統計学入門を読んだ。今更ながら、POPFileを導入し、メールを振り分けを始めたのだが、なんとなくわかっているようで、よく判っていないベイズ定理とか統計について調べてみようと思ったのが、読み始めた理由だ。POPFileの方は2か…

体育館の殺人

青崎有吾氏の体育館の殺人を読んだ。本書は第22回鮎川哲也賞受賞作品で、裏染天馬シリーズの第一作目だ。 殺人事件は放課後の旧体育館で起きた。放送部部長が幕が下りていたステージ上で何者かに刺殺されていたのだ。ステージ袖には2か所の出口が体育館外に…

図書館の殺人

青崎有吾氏の図書館の殺人を読んだ。体育館の殺人と水族館の殺人と並んでいたのだが、目当ての本が図書館の殺人だったので、こちらから読み始めてしまった。よく調べてから読めばよかったと、若干後悔した。これらは同一シリーズなので、順番に読んだ方がい…

情け深くあれ 戦国医生物語

岩井三四二氏の情け深くあれ 戦国医生物語を読んだ。本書は織田信長が足利義明を奉じて京都に上洛した永禄11(1568)年から物語が始まる。京都の上京の内裏近くにある曲直瀬道三の啓迪院で修業中の英俊は国許の丹波で起きた事件のために、国を棄て、医生として…

殿様の通信簿

磯田道史氏の殿様の通信簿を読んだ。本書のベースになっているのは「土芥寇讎記」という元禄期に書かれた書物である。これは公儀の隠密が探査してきた諸大名の内情を幕府の高官がまとめたものということである。土芥寇讎記には当時の大名234名の人物評価を載…

江戸の経済事件簿

赤坂治績氏の江戸の経済事件簿を読んだ。タイトルから江戸時代に起きた金銭絡みの事件に関して例を挙げて解説している本かと思ったのだが、実際は「事件簿」というほど事件に関しては解説しておらず、著者の得意分野である歌舞伎の戯作や草子などからいくつ…

藤原道長の権力と欲望 - 「御堂関白記」を読む

倉本一宏氏の藤原道長の権力と欲望を読んだ。本書は藤原道長が記した「御堂関白記」を中心に同時代に生きた藤原実資の「小右記」、藤原行成の「権記」を併用して、藤原道長がどのように権力の中枢に上り詰めたかが書かれている。 なぜ、平安貴族は日記を書い…

片桐大三郎とXYZの悲劇

倉知淳氏の片桐大三郎とXYZの悲劇を読んだ。本作は難聴により引退した大物俳優片桐大三郎が名探偵を務めるミステリーだ。4編収録されていて、 ぎゅうぎゅう詰めの殺意。満員電車から降りた男が転倒し、死んでしまった。どうやら満員電車の中で、背後から、ニ…

リアクト

法条遥氏のリアクトを読んだ。本作はリライト、リビジョンに次ぐ3作目である。本作で一条保彦が園田保彦になる部分が描かれると思っていたのだが、それは誤りで、もう一度リライトの世界を再構築する物語となっている。 本作では新たにホタルという未来から…

リビジョン

法条遥氏のリビジョンを読んだ。この作品はリライトの数か月後(1992年の秋)の世界を舞台にしており、園田保彦の誕生を描く物語になっている。 千秋家の女性に代々受け継がれている不思議な手鏡がある。この手鏡を使うと未来を視ることができるのだ。この視る…

リライト

法条遥氏のリライトを読んだ。例外小説 - 隠居日録で見つけたうちの一冊で、これはタイムトラベラー物のSF小説だ。 1992年の夏、中学2年生の美雪は、未来からやって来た保彦と出会う。旧校舎崩壊事故に巻き込まれた彼を救うため、10年後に跳んで携帯電話を持…

例外小説

佐々木敦氏の例外小説を読んだ。本書は著者による小説の書評、文庫解説、作家論についてまとめられた本であり、著者による「例外小説」というものを扱っている。では、例外小説とは何かというと、「これは小説なのか?という疑問・問い・思索を喚起する『小…

美女二万両強奪のからくり (縮尻鏡三郎)

佐藤雅美氏の 美女二万両強奪のからくりを読んだ。本書は縮尻鏡三郎シリーズの一編だが、今回の物語は梶川三郎兵衛が物語を動かしている。 江戸幕府は寛政四(千七百九二)年二月に柳原に町会所・籾蔵を設置させた。これは民営の窮民救済、備荒貯蓄、兼金融機…

犬飼六岐氏の蛻を読んだ。尾張徳川家の下屋敷には戸山荘という庭園があり、その中には東海道の宿場町を再現した町山であったという。物語は享保、八代吉宗の時代に、この戸山荘の宿場町である御町屋に、当時の藩主の宗春がより実際に近い町屋を再現するため…

喪失

モー・ヘイダーの喪失(原題 gone)を読んだ。本書はハヤカワポケットミステリーの一冊で、版型は新書サイズであるが、上下二段組みになっていて、480ページ以上あるので読みごたえがあった。 ストーリはカージャックの発生から始まる。警察は単純なカージャッ…

耳嚢

近世風俗志 - 隠居日録をamazonで検索したときに、「この商品を買った人は...」の所に耳嚢が出ていた。こちらは、上・中・下と三巻出ているようなのだが、amazon.co.jpにも楽天booksにもいまだに新品で在庫されている。出版から25年ぐらい経過しているのに、…

近世風俗志

守貞謾稿という書物がある。なんでこの書物の存在を知ったのか正確には覚えていないが、何かの本で読んだのだと思う。それもほんの2年ぐらい前だったのだから、まだまだ知らないことが多いものだと、嘆息する。 著者の喜田川守貞は幕末の人で、もともとは大…

天皇諡号が語る古代史の真相

関裕二氏監修の天皇諡号が語る古代史の真相を読んだ。本書は新書版なのだが、ページ数が466ページあり、通常の新書の二倍近くはあるので、読む場合はその点を注意する必要があると思う。また、最後まで読んで気づいたのだが、本書は関裕二監修になっていて、…

男嫌いの姉と妹 町医北村宗哲

佐藤雅美氏の男嫌いの姉と妹 町医北村宗哲を読んだ。本巻で北村宗哲シリーズの完結である。あたらに仙台伊達家浪人長井半四郎が登場し、物語に深くかかわっていき、結局は半四郎を中心にして、物語が収束することになる。 江戸の夜の街は長井半四郎の登場に…