隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

冷血

高村薫の冷血をようやく読んだ。本が出版されたのが2012年11月で、発売と同時に購入していたのだが、上下2巻であり、しかも上下2段組で、一気に読みたいと思っていて、今の今まで読む機会がなかった。

上巻には第一章「事件」(この章は、加害者2名の遭遇から、被害者のうちの一人の3人の視点で、犯行日の直前まで)と第二章「警察」(事件発覚の日から警察の捜査、そして犯人の一人が逮捕されるところまで)があり、下巻には第三章「個々の生、または死」(この章はもう一人の犯人の逮捕、取り調べ、裁判の様子)が描かれている。

タイトルから犯行の残虐性とか犯人の冷酷性とかが記述されていると想像していたのだが、実際には犯人二人には確固たる理由がないのにもかかわらず一家四人を殺し、犯人のうちの一人は殺すつもりもないのに、血死に至らしめ、自分のしたことの意味もよくわからず、後悔の念もないということを「冷血」というタイトルに込めたのだと思った。