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隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

図解!戦国の陣形

読書 歴史

乃至雅彦氏監修による「図解!戦国の陣形」は講談社現代新書の「戦国の陣形」のビジュアル版といった印象を受けた。今回は乃至氏は監修なので、全編氏による執筆ではないが、「戦国陣形の登場」の項を担当してる。前掲の書で論じられているが、我々がイメージしている「陣形」などというものは実際には存在せず、しかも戦国時代は「陣形」いう言葉自体も存在していないということだ。当時は、「陣立」や「備立」などと呼ばれており、昭和も30年代後半になってから「陣形」という言葉が登場したということだ。また、今我々が見聞きする「鶴翼の陣」とか「魚鱗の陣」などは江戸時代の群学者が考案したというから、全くの驚きである。考えてみれば、戦闘に置いて、一つの形態で敵に相対するということは妙なことで、それこそ臨機応変に体勢を換えなければ、戦えるものではないだろう。

本書はpart1「合戦の勝敗を決した陣形とは?」で戦国時代の有名な戦の陣形について考察し、part2「戦国の軍隊の実態にせまる!」で戦国時代の部隊の編成や武器について触れ、part3「陣形をめぐる戦いの日本史」で日本における陣形の歴史を解説している。

part2とpart3の間に阪南大学来村多加史先生のインタビューが載っているが、中国の兵法書に書かれている内容が、駆け引き(タイミングの取り方とか、準備の仕方、相手を事前にこちらに囲い込むとか)だというのが興味深かった。

残念ながら、この本でも解決しなかった疑問があるのだが、どのように当時の武将は自分の隊をコントロールしていたのだろうか?以前のタイムスクープハンターではほら貝を使い貝役というものが情報伝達を担っていたということだったが、詳細を知りたくなった。