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隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

『罪と罰』を読まない

「『罪と罰』を読まない」を読んだ。本書はドストエフスキーの「罪と罰」を読んだことがない岸本佐和子氏、三浦しをん氏、吉田篤弘氏、吉田浩美氏が断片的に与えられる情報をもとに「罪と罰」の内容を推測していく座談会を書き起こしたものだ。

私も今から15年ぐらい前にヨーロッパを鉄道で旅したときに、鉄道での移動時間の間に「罪と罰」を読んだことがある。読んだことがあるというだけで、その細かなストーリーはほとんど記憶に残っていない。ありていに言えば、読み終わった時に「なぜ『罪と罰』がこれほど評価されているか」がピンとこなかったのだけはよく覚えてている。とにかく読みにくかったことは記憶に焼き付いている。

まず第一にロシア人の名前になじみがなく記憶に定着しないのだ。今回この本を読んで改めて気づいたのは主人公のラスコーリニコフのフルネームはロジオン・オメーヌイチ・ラスコーリニコフで、いわゆる苗字ではないか。

それから、本書でも言及されているが、

 

「セリフで説明方式」に慣れていなから。

 

だ。セリフが長くて、冗長的で頭に入ってこなかったことも何となく覚えている。

この4氏は「罪と罰」を読まずに推理を進めていくわけだが、いかんせん提示される断片的な情報だけでは内容がわからないので、結局は「罪と罰」を読むことになる。その意味ではタイトルとちょっとミスリードだ。読み終わってから、内容に関して再び座談会で議論するのだが、皆「罪と罰」を面白いと褒め、評価している。その部分を読んで、再び、「罪と罰」を読んでみたくなった。