隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

ハルさん

藤野恵美氏のハルさんを読んだ。本作は、ちょっと頼りなさそうなビスクドールの人形作家の父親春日部晴彦(通称ハルさん)が娘の風里(通称ふうちゃん)の子育て中に遭遇したちょっと不思議な謎を解く日常のミステリー。その謎を解くのは、もうこの世にはいない奥さんの瑠璃子さんだ。物語は、娘のふうちゃんの結婚式の当日、ハルさんが昔のことを思い出す形式で進んでいく。

第一話「消えた卵焼き事件」。ふうちゃんの幼稚園の友達の隆君のお弁当から、卵焼きが消えていた。隆君は卵焼きを羨ましがっていたふうちゃんを疑うのだが、なぜ球が焼が消えたのだろうか?

第二話「夏休みの失踪」。小学四年生になったふうちゃん。夏休みにふうちゃんが家に帰ってこず、心配するハルさん。いったいどこに行ってしまったのか?

第三話「涙の理由」。中学二年になったふうちゃん。ハルさんはそのふうちゃんの目にいっぱいの涙を見てしまった。「いじめにあってるのではないか?」と心配するハルさん。その真相は?

第四話「サンタが指輪を持ってくる」。高校三年の冬休みに花屋でバイトをしたふうちゃん。クリスマスイブの日に落とし物をしたお客さんを追いかけて、骨折してしまった。その落とし物をふうちゃんに代わって届けることになったハルさん。無事に届けられるか。

第五話「人形の家」。大学生になり、一年ぶりに帰省したふうちゃん。その時に、ハルさんの作った人形の所有者が人形がなくなったと言っているという連絡を受ける。実際には元の人形と違う人形に置き換えられているというのだ。どういうことなのか?

第四話が着替えに家に戻ったのにプレゼントを落としたことに気付かないのは、どうなのだろうと思った。しかし、全体的に伏線もうまく張られていて、5つのストーリーは非常によくできていた。ほのぼのとして、ホロリとするストーリーだった。

 

[2017年10月18日追記]テレビドラマが放送されるようだ。

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