隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

向かい風で飛べ!

乾ルカ氏の向かい風に飛べ!を読んだ。本書は室井さつきと小山内理子が主人公の青春小説だ。物語はさつきが父の都合により札幌から沢北町に引っ越してきた小学五年生から始まる。道の職員として麦の品種改良の研究をしていたさつきの父は、実際に自分でも麦の栽培をしたくなり、生まれ故郷の沢北村で農業をすることを決意した。そのため、娘のさつきも沢北村の小学校に五年生の途中から転校することになったのだが、沢北村は小さな町で、小学校も町に一つ、五年生のクラスも一つで、途中から転校してきたさつきはクラスになじめず悩んでいた。

 私は向かい風中にいるんだ。この町に来てからずうっと。そしてこれからだって

 そんな時さつきに声をかけてくれたのが理子だった。理子は地元のジャンプ少年団に所属し、ジャンプをやっていて、さつきにもジャンプをやらないかと誘ってくれたのだ。理子は小学校低学年からその才能を認められ、地元では一目置かれる存在だった。だが、そのとこは理子を孤立させるような状況を作り出してしまい、理子も一緒にジャンプを楽しめる友達を探していたのだった。理子はさつきにこう言った。

 向かい風は、大きく飛ぶためのチャンスなんだよ

 物語は小学五年生から中学二年生までの二人の友情、そして、挫折が描かれるが、物語の最後は爽やかに終わっている。ぜひとも続編を読んでみたいと思った。