仰木日向氏の作曲少女を読んだ。本書はどのように作曲するのかということをライトノベル形式で書いた本である。
登場人物は作曲に憧れる高校二年生の山波いろはと同級生の白黒珠美の二人。いろはは夢中になれる何かを探していて、作曲に取り組もうとしたが、そこにはあまりにも高い壁が存在した。初心者向けの入門書を読んだけれど、さっぱりわからないのだ。そこで助けを求めたのが、あまり親しくはないけれど(そして、ちょっととっつきにくい)、天才作曲少女と言われているクラスメートの珠美だった。珠美は快く引き受けてくれて、しかも、14日で作曲できるようにすると言い放つ。
この本は作曲をメインのテーマにしているけれど、創作全般に当てはまることを述べていると思う。珠美は最初からまず一曲作ることを提案しているし、どうやったら初心者が一曲作れるかという方法も述べている。また、「努力は夢中に勝てない」ということもいっている。結局無理に続けても身にならず、続けるためのモチベーションが一番重要なのだと思う。モチベーションがあれば夢中になって没頭して、努力などということも忘れて作業をするのではないだろうか。
音楽と言語の関連性に述べている以下の部分も面白いと思った。
「音楽っていう言語は、ハッキリ言わない。でも間違いなく、かなり強くそう言っている。そういう、”言質の取れない言語”なんだ。
また、映画と音楽の対比の部分も面白かった。
主人公 (メロディ)
セリフ (歌詞) - 歌モノの場合
適役 (ベース)
脇役 (ハーモニー)
世界観 (リズム)
この本で記述されている手順の中で最初の関門が「耳コピ」だと思うし、いろはも最初うまくできなくて珠美と喧嘩をしてしまう。初心者や素人はこの部分で挫折するのではないであろうか?