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隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

向こう側の遊園

読書 ミステリー

初野晴氏の向こう側の遊園を読んだ。本書は何とも不思議なミステリーだ。閉演して打ち捨てられた遊園地の花園を管理するする青年がいる。その花園には動物のための秘密の霊園があり、青年が管理している。青年は依頼者から話を聞き、埋葬する代わりに一番大切にしているものを要求する。

最初の話では心理療法士を名乗るリサがゴールデンレトリーバーの遺骨の埋葬を依頼にしに来る。依頼主のリサはペットとのことを青年に語って聞かせるが、青年は埋葬できないという。そして、その理由を青年はリサに告げる。

全部で5編収録されているが、どの作品も寓意に満ちており、実際、「高瀬舟」、「藪の中」、「人魚姫」などが引用されている。また、人間の動物に対するエゴが垣間見えて、悲しい内容になっている。

「シネレッタの丘」で元刑事がインコを探しにこの閉演した遊園地を訪れた内容がちょっとピンとこなかった。