隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

「火附盗賊改」の正体

丹野顯氏の「火附盗賊改」の正体を読んだ。2017年の1月からアニメで鬼平を放送していて、それを見たら2つほど気になるところがあり、本書で調べてみた。気になったところとは、(1)長谷川平蔵が自分のことを「火付盗賊改めの長官」といったところと、(2)屋敷に火付盗賊改めの看板を掛けているところだ。私は池波正太郎の小説もテレビの時代劇も見ていないので、それらの中で長谷川平蔵がどのように自分の地位を故障しているのか知らない。まず、最初に小説の方を見てみたが、あのシーンは小説にはなかった。なので、それ以上小説は読まなかった。時代劇は残念ながら確認するすべがないのでわからない。

本書には火附盗賊改のトップは「御頭」と書かれており、これは納得である。「長官」を「かみ」と読むのであれば、無きにしも非ずだが、「かみ」は幕府の役人のポストではないので、やはりおかしいだろう。また、本書を読む前から、火附盗賊改は「加役」であり、本来の職務のほかに兼任していた役割であるということは知っていた。なので、火附盗賊改としての役宅はなく、拝領屋敷を役所代わりにしていたというのも、なんとなく知っていたのであるが、果たしてそこに看板を掛けているかというところが不明であった。残念ながら、その点の疑問は直接本書では解決しなかった。ただ、江戸時代は表札などなく、そのため武官などで屋敷の所在を調べていたらしいので、やはり看板は掛けていないのではと思う。

火付盗賊改めは最初盗賊改めが置かれ、その後火付け改めが置かれた。更に博奕改めが置かれたが、これは町奉行所に管轄が移され廃止になり、盗賊改めと火付け改めが統合して火付盗賊改めとなった。その改めのトップである御頭は幕府の番方(武官)の先手組から選ばれた。本書ではその歴史や歴代の御頭、そして扱った事件について網羅的に開設されている。