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隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

歌丸 極上人生

桂歌丸師匠の歌丸 極上人生を読んだ。本書は2006年に刊行された「極上 歌丸ばなし」を2015年に文庫化する際に加筆・訂正して出版されたもの。歌丸師匠の生い立ちとか、落語家としての修業時代・笑点の話、趣味の話が書かれている。文章を読むと話し言葉になっているので、歌丸師匠から聞いたのをテープから起こして本にしたのではないかと想像している。

作家の都筑道夫氏の実兄が落語家の鶯春亭梅橋 だったのは知っていたが、古今亭今輔一門だというのは、本書で初めて知った。実際には、志ん生師匠に弟子入りしていたけれど、志ん生師匠が満州に慰問に行ったきり帰ってこないので、今輔師匠の所に移ったようだ。

 それと、歌丸師匠は最初古今亭今輔師匠に入門し、後に桂米丸師匠に弟子入りしたということは知っていたのだが、私は勝手に、今輔師匠が亡くなったので、今輔師匠の弟子の米丸師匠に弟子入りしたと思っていたのだが、実際は歌丸師匠は今輔師匠を一度しくじっていたのだった。寄席への出番が少ないことに不満を持っていて、仲間と芸術協会を飛び出して新しい組織を旗揚げしようとしたようなのだが、それがうまくいかず、4年ぐらい落語から離れていた期間があったらしい。間に入る人がいて今輔師匠に詫びを入れたが、再び弟子にはしてもらえず、米丸師匠の所に行くように言われたということだ。

後半の方に出てくる釣りの話は色々面白い。寄席をヌイて釣りに行ったら、こちらも寄席をヌイた圓右師匠とばったり鉢合わせして、そのことがばれて、後で新宿末広亭の席亭から怒られたとか。