隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

エクサスケールの少女

さかき漣氏のエクサスケールの少女を読んだ。

何とか最後まで読んだが、「これは酷い」いうのが率直な感想だ。

メモを取りながら読んで、気になった点を列挙する。これ以外にもあったが、多すぎるので、全てを書いているわけではない。

  • P10に「混信したかのような...」という表現があるが、通信がディジタル化した現在、仮に混信が起きたならば、受信データがデコードできなくなるので、このような表現を使うこと自体不適切だと感じた。
  • P11主人公が自分の作っていたソフトウェアに改ざんの跡があることを発見する。これがなんかの伏線と思いきや、この件はこれだけで、何をストーリーに盛り込みたかったのか不明だ。
  • P29 母親が失踪したことにより児童養護施設にいた青磁と萌黄は京都に住む老教授に引き取られることになったようなのだが、この老教授がなぜ政治らを知ったのかの経緯が一切明かされない。
  • P13に「USBに似た外観をした」と書かれている。通常USBと言えば、あの特徴的なTYPE-Aとかのコネクタを思い浮かべるが、多分作者はUSBメモリ的なものをイメージしていたのではないだろうか?
  • P75ページの場面転換の所で、前の部分と後ろの部分が全然つながっていない。
  • P90に液浸冷却のアイディアが書かれているが、それだけしかスパコンを説明している文章がない。
  • P134のAIロボットの説明で、「オープンソースのプログラムを試しに自分のスパコンで動かしてみたら出来てしまった」みたいなことを書いてあるが、ロボットのハードの事がすっかり抜け落ちている。どんなハードにも適合するソフトなどあり得ない。ここだけでなく、ハードへの気配りが全般的にぬけている。いったいどうやってロボットのハードを作ったのだろう?
  • P137には「日本中にリニア新幹線がある」ように書かれているで、時代設定は近未来と思いきや、P145では東日本大震災から6年となっているので、2017年を想定して書かれていると思われる。
  • P214船の中に男が気を失って倒れていたのだが、震災が発生してから数週間経過しているはず(P212)はずで、男はいったいどれぐらいそこに倒れていたのだろう?
  • P216 主人公の青磁の視力は0.2/0.3であり、火山灰のせいでコンタクトを装着できず、眼鏡もないと言っているのだが、それにも拘わらず、よく目が見える記述がこの後続く。
  • P234 手の中に「小型の試験管や綿棒、プラスティックの小さなケースの数々」と書かれているが、女性の手の中にこんなに色々なものを隠せるものだろうか?それと、わざわざ死んだ人間から細胞を摂取することもないと思う。
  • P256にスカイカーが出てくるが、どのようにcitroenを改造したのだろう?秘密工場でもあるのか?
  • P281 母親が老女となって登場するのだが、20代前半で青磁を生んだとして、政治の年齢が32歳なので、どう考えても60歳前のはず。老女と呼んでいいのだろうか?

タイトルもよく判らない。登場人物の中で少女なのは主人公青磁の妹の萌黄(ただし外見と精神年齢のみ)だけなのだが、彼女自身は不老病という病におかされているだけで、10の18乗とは一切関係なく、もちろんそんな桁外れた計算力もない。