隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらってもいいですか?(4)

枯野瑛氏の終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらってもいいですか?(4)を読んだ。

本巻においてヴィレムとネフレンはなぜかかってヴィレムがいたゴマク市の養育院に戻っていた。星神との決戦に出かけて、本来なら戻ってこれなかったであろう時代に。しかし、ゴマク市も含め地上は既に獣に滅ぼされているはずだ。ヴィレムは悪魔の作り出した夢世界の内の中に閉じ込められているのではないかと推測し、敵の出方を探りながら、かって500年前に起こったことを追体験することになる。

不思議なことはいくつもある。この仮想の世界があまりにも正確に汲み上げられていること。例えば、ヴィレムの記憶から作り出したなら、ヴィレムの知らないことは再構成できないはずだが、ヴィレムの知らないことまでこの世界は再構成されているのだ。また、ヴィレムが体に追っていたダメージもなぜかなくなっている。そしてこのゴマク市の人々は謎の昏睡に襲われる人が増えているのだ。その昏睡する人たちは共通してみていた夢がある。それは荒涼とした砂漠の夢だ。その砂漠はまるで500年後の地上の様に思われる。

ヴィレムは聖歌隊 は二つの派閥に分かれていること看破する。聖歌隊 の根源的な思想には「この世は本来あるべき姿にない」ということになっているが、、今ある偽りの世界を何とか維持しようとする派閥と、本来あった姿に戻そうとする派閥がるのだという。

最後のヴィレムは彼らを夢境に閉じ込めていたものが最初の獣であることを突きとめ、その正体を知り、倒すことになるが、そこからまた新たな獣が誕生してしまった。この巻においては、ネフレンがどうなったのかに関しては明かされていない。