隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらってもいいですか?(5)

枯野瑛氏の終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?#05を読んだ。
このシリーズの最終巻。全ての主要な登場人物が11番島に集まってくる。あるものは目的をもって。また、あるものは望んでもいないのに。この物語を終わらせるために。

ヴィレムは前巻の最後で最初の獣を倒したことによりその魂魄が体に入り、獣と化していた。また、ネフレンにもその魂魄が入り込み、ネフレンは純粋なレプラカーンではなくなっていた。ヴィレムは何者かの手で捕獲され、飛空艇で11番島に運ばれてきていたが、その飛空艇が事故に遭い、11番島に投げ出された。そこに、かっての師匠ニルス・フォーリナーが通りかかり、ヴィレムの記憶を封じることにより、獣の力の発現を抑え込んだ。一方ネフレンは地上探査に来ていたグリッグに遭遇し、護翼軍の11番島に運ばれる。ナイグラートには護翼軍のライムスキン一位武官から招集がかかり、アイセア、ラーントルク、ティアット、ラキッシュを連れてやはり11番島へ。また、スウォンも11番島にやってくる。クトリが最後の力を振り絞り六番目の獣の多数を殲滅した。そのおかげで、当分六番目の獣の脅威が浮遊大陸群から消滅したのだ。それはよいことなのだが、共通の敵がいなくなったことにより、浮遊大陸群の各勢力に独自の動きが出てくる。自分たちも対獣用の武力を持たせろという要求だ。その動きに対応するためにライムスキン一位武官、ナイグラート、レプラカーン、スウォンたちは集まってきたのだった。

この巻において「えるく」と呼ばれていた少女がエルク・ハルクステンという星神であり、レプラカーンはエルクの砕かれた魂から発生していることが明かされる。そして、人類種とはもともと獣のようなものであり、それに星神の魂のかけらをまぶすことにより新しく生み出された生物であるとも。だから、地上にいる獣たちは、もとの姿に戻っただけなのだ。ヴィレムの物語はこの第五巻で一応の結末を迎えているが、最後にまた妖精倉庫に新しい管理者がやってきたところで終わっている。

5冊を通して読んだわけだが、ナイグラートがかなり長い間妖精倉庫の管理人をしていて、何人もの妖精が帰ってこなかったことを経験しているような記述があるが、ヴィレムを発見した地上探査の時のサルベージャーに参加していたはずだ。なので1年半か2年ぐらいの期間しか管理人じゃないと思われるので、矛盾がある。また、エルクの肉体は存在していたが、魂は砕かれてしまっていたので、5巻で普通に存在しているのには違和感を感じた。