隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧

経済で読み解く明治維新

上念司氏の経済で読み解く明治維新を読んだ。経済で読み解く織田信長 - 隠居日録が面白かったので、こちらも読んでみた。実際の出版順はこちらの方が先だ。この本もそれなりに面白かったのだが、織田信長ほどは面白くなかった。 疑問に思ったところ P45に財…

生物はウイルスが進化させた

武村政春氏の生物はウイルスが進化させたを読んだ。本書に書かれているのは近年発見された巨大ウイルスから得られて知見とそれらの知見から筆者らが導き出した仮説である。まず、前半部分は巨大ウイルスのことが述べられている。 巨大ウイルス ウイルスなと…

戦国大名の「外交」

丸島和洋氏の戦国大名の「外交」を読んだ。ここで外交の部分が「外交」となっているのは、混乱を避けるためで、戦国期の大名を一つの国家とみなして、大名同士の交渉を外交としているからで、戦国大名が外国の国と独自に行っていた外交の話ではないからであ…

経済で読み解く織田信長

上念司氏の『経済で読み解く織田信長 「貨幣量」の変化から宗教と戦争の関係を考察する』を読んだ。この本は非常に興味深い本だった。本書は約290ページほどあるのだが、織田信長が登場するのは224ページ目からなのだ。では、それまで何を語っているかという…

十二人の死にたい子どもたち

冲方丁氏の十二人の死にたい子どもたちを読んだ。ある目的をもって廃棄された病院に集った六人の少年と六人の少女。合わせて十二人。なぜ、彼らの人数を十二人にしたのかは、「怒れる十二人の男たち」に合わせて作者は十二人にしたのだろう。登場人物からは…

「司馬遼太郎」で学ぶ日本史

磯田道史先生の「司馬遼太郎」で学ぶ日本史を読んだ。タイトルの通り、司馬遼太郎の作品を肴に磯田先生が戦国時代、幕末・明治、そして、司馬遼太郎をして鬼胎と言わしめた戦前の昭和を語る読み物だ。 「国盗り物語」 まず俎上に上がるの国盗り物語だ。磯田…

王とサーカス

米澤穂信氏の王とサーカスを読んだ。さよなら妖精(単行本新装版) - 隠居日録から10年後、大刀洗万智は務めていた東洋新聞社を辞め、フリーのジャーナリストになったばかりだった。フリージャーナリストとして雑誌の旅行記事の仕事をする予定になっていたが、…

クロニスタ 戦争人類学者

柴田勝家氏のクロニスタ 戦争人類学者を読んだ。伊藤計劃トリビュート - 隠居日録に収録されていた南十字星の続きの物語だ。 南十字星は、脳にうえつけられた可塑神経回路網でパーソナルな感覚までも自己相を通して共有し、そのデータは平準化され「正しい人…

落語魅捨理全集 坊主の愉しみ

山口雅也氏の「落語魅捨理全集 坊主の愉しみ」を読んだ。『落語魅捨理全集 坊主の愉しみ』山口雅也|講談社文芸第三出版部|講談社BOOK倶楽部に落語とミステリの融合と書いてあるので、どんなものだろうと思って読んだ見た。読む前は、都筑道夫氏の「きまぐ…