隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

先生、それって「量子」の仕業ですか?

大関真之氏の「先生、それって「量子」の仕業ですか?」を読んだ。量子力学に興味があるが、難しい本を読んでも理解が追い付かないと思い、初心者向けの本を選んだのだが、あまりにも初心者向けで、あまり得るところがなかった。本の選択はなかなか難しい。興…

半席

本書には「半席」、「真桑瓜」、「六代目中村正蔵」、「蓼を喰う」、「見抜く者」、「役替え」の六編が収められている。実は表題作の半席は約定 - 隠居日録にも収められており、どういうことだろうと思っていたのだが、実は本作はその登場人物の片岡直人を主…

映画は撮ったことがない ディレクターズ・カット版

神山健治監督の映画は撮ったことがない ディレクターズ・カット版を読んだ。本書は以前に出版されていたものに、庵野秀明監督との対談を新たに収録し(その代り押井守監督・中島哲也監督との対談を割愛)し、映画を生む本棚を追加したものだ。神山監督はなんと…

励み場

青山文平氏の励み場を読んだ。「励み場」とは「励めば報われる仕事場」という意味である。本編は名子の青年が勘定書の普請役となり、そこから勘定支配に這い上がって、更に上を目指そうとしている姿を描いている。名子という言葉は本書を読むまで知らなかっ…

人間はなぜ歌うのか? -人類の進化における「うた」の起源

ジョーゼフ・ジョルダーニアの人間はなぜ歌うのか?(原題 Why Do People Sing? Music in Human Evolution)を読んだ。タイトルに「歌う」とあるが、これは現代的な意味での「歌う」、あるいは我々がイメージしている「歌う」とは若干異なったものだ。もっと原…

ウニはすごい バッタもすごい - デザインの生物学

本川達雄先生のウニはすごい バッタもすごい - デザインの生物学を読んだ。本川先生と言えば、「ゾウの時間ネズミの時間」を昔読んで、非常に面白かった記憶があり、本書も手に取ってみた。本書もかなり面白かった。本書はいろいろな動物の体の仕組みや生態…

つまをめとらば

青山文平氏のつまをめとらばを読んだ。本作品は第154回直木賞受賞作品だ。短編集で、表題作の「つまをめとれば」の他に、「ひともうらやむ」、「つゆかせぎ」、「乳付」、「ひと夏」、「逢対」が収められている。今までの青山作品は、江戸幕府開闢から150年…

マツリカ・マハリタ

相沢沙呼のマツリカ・マハリタを読んだ。こちらはマツリカ・マジョルカ - 隠居日録の続編だ。本作では柴山祐希は二年生になっているが、マツリカは相変わらず学校に登校している様子もなく、廃ビルに住み着いている。柴山祐希の周りは少しずつ変わってきて、…