隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

バビロン 3 ―終―

野崎まど氏のバビロン 3 ―終―を読んだ。今回の舞台はいきなりアメリカになっており、アメリカ大統領アレキサンダー・W・ウッドの視点を中心に語られる。日本の新域に呼応してか、世界の各地で自殺都市宣言する地方自治体が現れ始めた。世界的に自殺は是か非…

バビロン 2 ―死―

野崎まど氏のバビロン 2 ―死―を読んだ。新域の初代首長である斎開化は「自殺する権利」を認める自殺法を新域の首長の専権処分である「掌決」を用いて施行した(これにより、自殺法は議会による追認だけを得ればよいことになる)。そしてそれに呼応したのか、新…

バビロン 1 ―女―

野崎まど氏の バビロン 1 ―女―を読んだ。現時点で、本シリーズは3冊目まで出ているが、一冊目を読んだ印象では、この物語は今後どこへ向かっていくのか全く先が読めない。最初、この物語は東京地検特捜部の検事正崎善が製薬会社「日本スピリ」が大学を巻き込…

ホワイトラビット

伊坂幸太郎氏のホワイトラビットを読んだ。なぜこの本のタイトルがホワイトラビットかというと、この小説がいわゆる白兎事件を扱っているからだ。白兎事件は本書の中で起きる事件であるので、もちろん架空の事件だ。兎田孝則という名前の男がいた。褒められ…

忘れられた巨人

カズオ・イシグロ氏の忘れられた巨人(原題 The Buried Giant)を読んだ。本書の舞台は古代のイギリス。(もしアーサー王がいたなら、その)アーサー王が去ってからのイギリスが舞台になっている。そこには悪鬼、妖精、ドラゴンなどが登場し、ファンタジーの色合…

動的平衡3 チャンスは準備された心にのみ降り立つ

福岡伸一先生の動的平衡3 チャンスは準備された心にのみ降り立つを読んだ。いつのまにかシリーズの3作目が出ていたようだ。2を読んだときにはすでに3が出ていたことに全然気づいていなかった。 「飲めない水」の謎 かなり古い話になるが、私が大学を卒業して…

経済で謎を解く関ヶ原の戦い

武田知弘氏の経済で謎を解く 関ヶ原の戦いを読んだ。本書の内容だが、 日本史最大のミステリーである関ヶ原の謎も、「経済」の視点で読み解くと、スッキリ見えてくる。歴史好き必読の一冊! と紹介されている。しかし、そんなに難しいというかあまり経済的な…

タイムボックス

アンドリ・S.マグナソンの タイムボックス(原題 Tímakistan)を読んだ。本書は児童文学の範疇に含まれると思われる。物語は現代と地続きのような世界から始まる。そこでは経済危機が起こっていて、誰にもその解決策が見つからない。そんな時に世の中に登場し…