隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ダンデライオン

中田永一氏のダンデライオンを読んだ。ミステリーの分類になっているようだが、どちらかというとSFだと思う。もちろん、ミステリー要素もあるのだが、それは主ではなく従ではないかというのが読後の感想だ。物語は1999年と2019年が一人の男の中で交差するこ…

朱漆の壁に血がしたたる

都筑道夫氏の朱漆の壁に血がしたたるを読んだ。本書は物部太郎シリーズの第三作目で、最終作だ。著者がなぜこのシリーズを継続しなかったのかはわからないが、この物部太郎シリーズは当時都筑氏が提唱していた「謎と論理のアクロバット」を実践するために書…

“身売り”の日本史―人身売買から年季奉公へ

下重清氏の “身売り”の日本史―人身売買から年季奉公へを読んだ。サブタイトルにあるように日本における人身売買に関する研究だ。 人身売買と法律 売買される対象は古くは奴婢であったり、戦闘による人取りあったりしたようだ。この場合の人取りは戦闘員だけ…

機械カニバリズム 人間なきあとの人類学へ

久保明教氏の機械カニバリズム 人間なきあとの人類学へを読んだ。読後の感想は、どうもタイトルが分かりにくく、内容とかみ合っていないような印象を受けたというものだ。ここでいうカニバリズムとは南米で行われている食人習慣だが、ヴィヴィエイロス・デ・…

大江戸商い白書――数量分析が解き明かす商人の真実

山室恭子氏の大江戸商い白書――数量分析が解き明かす商人の真実を読んだ。ここで報告されている分析はなかなか興味深い研究だ。江戸時代の文書・史料は偏って残っているので、わかることと分からないことの差が大きい。この研究はその差を何とか埋めようとす…

眼球堂の殺人

周木律氏の眼球堂の殺人を読んだ。眼球堂とは天才的な建築家である驫木煬がや家屋に建設した私邸だ。その屋敷に招待されたのが放浪の天才数学者十和田只人、そしてストーカーのように十和田にまとわりついき、半ば強引に同行してきたルポライターの陸奥藍子…

amazon fire HD 8インチを買った

事前に公表されていた情報にはなかったが、amazonの初売りセールにきっとfire HDが出るだろうと思って、時々チェックしていたら、1月4日にセール品で出ていた。値段は6480円で、通常は8980円なので27%オフだ。注文したら、発送が1月5日から15日の間になって…

納屋を焼く

村上春樹氏の納屋を焼くを読んだ。2018年の年末にNHKでバーニングというドラマをやっていて、見るとはなしに見たのだが、さっぱり訳が分からなかった。www6.nhk.or.jp (以下内容に触れるので)

院政とは何だったか

岡野友彦氏の院政とは何だったかを読んだ。本書のタイトルは「院政とは何だったか」となっているが、まず論じられているのが荘園についてだ。この荘園についての説明が私が今まで理解にしてたものとは違っていて、非常に興味深く、今まで全く間違って理解し…

ライオンは仔猫に夢中 ~平塚おんな探偵の事件簿3~

東川篤哉氏のライオンは仔猫に夢中を読んだ。本書は平塚おんな探偵の事件簿シリーズの第三弾。前回と同様に探偵のエルザと助手の美伽のコンビが事件を解決していく。今回も短編集で4作収録されている。最後の「あの夏の面影」は書き下ろし作品。 失われた靴…

ライオンの歌が聞こえる 平塚おんな探偵の事件簿2

東川篤哉氏のライオンの歌が聞こえるを読んだ。本書は平塚おんな探偵の事件簿シリーズの第二弾。前回と同様に探偵のエルザと助手の美伽のコンビが事件を解決していく。今回も短編集で4作収録されている。この回の各話のタイトルはそのものズバリ物語を言い表…