隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

跳ぶ男

青山文平氏の跳ぶ男を読んだ。作者は文中に明確に年号は書いていないが、「本年、水野越前守忠邦が老中首座になった」と文章中に書いているので、天保十(1839)年が物語の時間軸だと思われる。物語の舞台は藤戸藩。藤戸藩は台地の上にあるという特殊な土地柄…

千の顔をもつ英雄

ジョーゼフ・キャンベルの千の顔をもつ英雄(原題 The hero with a thousand faces)を読んだ。本書は、ジョージルーカスが初期のスターウォーズシリーズの脚本作成時に参考にしたことにより、後に有名になり、また、「神話の法則」により物語の構成の解説書で…

民主主義の死に方 二極化する政治が招く独裁への道

スティーブン・レビツキー, ダニエル・ジブラットの民主主義の死に方 二極化する政治が招く独裁への道(原題 How Democracies Die)を読んだ。本書のタイトルは「民主主義の死に方」になっており、英語の原題も「How Democrcies Die」なっているが、単にどのよ…

2019年にNHK BSプレミアムで黒澤明映画が急に放送された

2年ぶりにまたNHKのBSプレミアムで黒澤映画が放送されるようだ。ラインナップは以下の通り。2019-03-07 13:00 赤ひげ2019-03-13 13:00 天国と地獄2019-03-21 13:00 七人の侍2019-03-24 11:00 用心棒2019-03-26 13:00 椿三十郎2019-03-27 00:45 蜘蛛巣城最初…

元年春之祭

陸秋槎氏の元年春之祭を読んだ。現代中国人作家の書いたミステリーというのが私にとっては非常に新鮮だった。本文中に多数引用されている中国古典に関しては全く知識がなく、ちょっと読みにくい感じなのだが、ミステリーとしては謎を解くには中国古典の知識…

歌うカタツムリ――進化とらせんの物語

千葉聡氏の歌うカタツムリ――進化とらせんの物語を読んだ。本書の第一章は以下の文章で始まる。 歴史とカタツムリはよく似ている。どちらも繰り返す。そして螺旋を描く。 本書はダーウィンの進化論がその後どのような変遷をとげてきたかをカタツムリを軸にし…

巨神覚醒

シルヴァン・ヌーヴェルの巨神覚醒を読んだ。本作は巨神計画 - 隠居日録の続編で、前作から9年経った所から物語が始まっている。前作で発掘された巨大ロボットはテーミスと名付けられ、国連に所属する地球防衛組織EDCに所属することになっていた。9年間に何…