隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

クロストーク

コニー・ウィリスのクロストーク(原題 crosstalk)を読んだ。本の雑誌2019年3月号で北上次郎氏が絶賛していたので、実物を見てみると、2段組で700ページの大作だった。「どう考えても読み終えるのには1週間はかかるなぁ」と思い躊躇してしまった。そのあと、Y…

拳銃使いの娘

ジョーダン・ハーパーの拳銃使いの娘 (原題 She rides shotgun)を読んだ。ネイト・マクラスキーは刑務所から出所すると同時にギャング組織から命を狙われることになった。都合が悪いことは、命を狙われエイルのはネイとだけではなく、元妻のエイヴィスと11歳…

パワー

ナオミ・オルダーマンのパワー(原題 The power)を読んだ。本書は歴史学者の二―ル・アダムス・アーモンが「大変動」の時に何が起こったのかをノベライズしたという体をした小説になっている。では「大変動」とは何か?それはある日突然女性たちが雷霆(いかず…

Perlでメモリリーク?

多分2016年の12月ぐらいからPOPFileを使っていて、今まで特に運用上の問題はなかった。最近ふと気づいたのだが、どんな単語が登録されているのか見てみたら、文字化けしているものや、意味のない英数字の羅列なども登録されていて、これをきれいにする方法は…

童の神

今村翔吾氏の童の神を読んだ。著者は童を以下のように説明している。 童とは大陸から入ってきた言葉で、「雑役者」や「僕」を意味する。家で身の回りの世話をする奴をそう呼称すると同時に、本来は朝廷に屈するべきと意味合いを込めて、化外の民をそのように…

私が大好きな小説家を殺すまで

斜線堂有紀氏の私が大好きな小説家を殺すまでを読んだ。前シリーズはミステリーだったが、本作はミステリーではなく、シリーズものの一冊でもない。 『憧れの相手が見る影もなく落ちぶれてしまったのを見て、「頼むから死んでくれ」と思うのが敬愛で「それで…

不意撃ち

辻原登氏の不意撃ちを読んだ。本書は短編集なのだが、物語が最後の所で不意撃ちに会い、ストーリーが大きく捻じ曲がるのが特徴と作品ばかりが収められている。もう一つの特徴は、現実に起きた事件などを物語の中に取り込むことで、現実と虚構がないまぜにな…