隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

生命の歴史は繰り返すのか?ー進化の偶然と必然のナゾに実験で挑む

ジョナサン・B・ソロスの生命の歴史は繰り返すのか?ー進化の偶然と必然のナゾに実験で挑む(原題 Improbable Destinies: Fate, Chance and the Future of Evolution)を読んだ。本書は多岐にわたる例示が含まれていて非常に興味深い本だ。大きなテーマとしては…

世界の英語ができるまで

唐澤一友氏の世界の英語ができるまでを読んだ。英語の素となった言語は、現在のユトランド半島やオランダ・ドイツの北部沿岸地域で細々とつかわれた言語だったが、それがイギリスに根付き、現在では世界で最も使われる言語となっている。本書は「世界の英語…

FreeBSD u-boot-nanopi-neo2-2019.04はNanoPi NEO2 NAS kitではブートしない?

2020/6/20追記 起動しない原因がNAS kitに由来するもので、LTSとは関係ないので、内容及びタイトルを一部修正たぶん5月ぐらいだと思うのだが、FreeBSDのパッケージにNanoPi NEO2用のu-bootが追加された。i386に現れてからarm64に現れるまで時間差があり、試…

大坂堂島米市場 江戸幕府vs市場経済

高槻泰郎氏の大坂堂島米市場 江戸幕府vs市場経済を読んだ。時代小説などを読んでいると、江戸時代に大坂の堂島に米市場があり、そこでは先物市場がすでにあって、これは世界的に見ても類を見ないことだというようなことを目にすることがある。本書は、この堂…

刀と傘

伊吹亜門氏の刀と傘を読んだ。これは連作短編のミステリーで、幕末から明治の最初の頃が舞台になっている。そして、一方の主人公が実在の人物である江藤新平で、もう一人の主人公が架空に人物と思われる尾張藩公用人の狩野師光である。この二人が探偵役なの…

諡-天皇の呼び名

野村朋弘氏の諡-天皇の呼び名を読んだ。よく天皇一覧に載っている○○天皇というのは、明治以降は別として、全て漢風諡号だと思っていた。ところがこれが全くの間違いだということに気付かされた。実はあれは漢風諡号と追号の組み合わせなのだ。上皇の日本史 -…

遺伝人類学入門

太田博樹氏の遺伝人類学入門を読んだ。人類学というのは聞いたことがあるが、遺伝人類学とは何だろう?と思って読み始めた。遺伝人類学を短く言うと、人類という集団を遺伝という観点から研究する分野のようだ。これも近年遺伝子の解析が高速化・低価格化し…

ニュートンのりんご、アインシュタインの神 -科学神話の虚実-

アルベルト・A・マルティネスのニュートンのりんご、アインシュタインの神 -科学神話の虚実- (原題 Science Secrets The Truth about Darwin's Finches, Einstein's Wife and Other Myths)を読んだ。本書は科学者や科学についいて巷間に流布していて半ば伝説…

郝景芳短篇集

郝景芳短篇集(原題 孤独深处)読んだ。「折りたたみ北京」でヒューゴ賞を受賞した郝景芳の短編集だ。ただ、「折りたたみ北京」はケン・リュウの英訳からの日本語訳というややこしい関係になっているが、本短編集に収録されているのは中国語から日本語の翻訳と…

ヒト夜の永い夢

柴田勝家氏のヒト夜の永い夢を読んだ。これは怪作(褒め言葉)だ。あーだ、こーだ書くと、かえって面白くなくなりそうでためらわれるのだが、何も書かないと一体何の話なのだということになってしまう。本の裏に書いてある慷慨程度は書いておくべきか?1927年…