隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

反穀物の人類史――国家誕生のディープヒストリー

ジェームズ・C・スコットの反穀物の人類史――国家誕生のディープヒストリー (原題 Against the Grain A Deep History of the Earliest States)を読んだ。本書では、人類がどのように国家を作り上げてきたのかということを考察している。人類が、狩猟採取→農耕…

展望塔のラプンツェル

宇佐美まこと氏の展望塔のラプンツェルを読んだ。北上ラジオの第8回目で紹介されていた。本の雑誌 Presents 北上ラジオ 第8回 - YouTube松本悠一は児童相談所に勤めており、多摩川市の子供支援センターの前園志穂と石井壮太の状況を確認すために、石井家を…

我らが少女A

髙村薫氏の我らが少女Aを読んだ。合田雄一郎シリーズ物の一冊だが、この小説では中心人物ではない。彼はかって起きた事件の現場指揮者として、現在は警察大学の教授として登場する。物語は2017年上田朱美という女性を同棲相手の男が殺害したことから動き出す…

データは騙る 改竄・捏造・不正を見抜く統計学

ゲアリー・スミスのデータは騙る 改竄・捏造・不正を見抜く統計学 (原題 Standard Deviations Flawed Assumptions, Tortured Data, and Other Ways to Lie with Statics)を読んだ。本書でには少し考えれば信頼できないことがわかる、捻じ曲げられた主張を事…

数の女王

川添愛氏の数の女王を読んだ。本書は人々が固有の「運命の数」を持つ世界のファンタジー。しかし、その世界ではなぜか計算が禁じられていた。主人公のナジャは王妃の娘であるが、実の子ではなく、幼少の頃両親が流行り病で亡くなったのを哀れんだ王妃に引き…

クララ・ホイットニーが綴った明治の日々

佐野真由子氏のクララ・ホイットニーが綴った明治の日々を読んだ。このようなアメリカ女性が明治初期に日本に滞在し、少なからず日本に影響を与えていたということを全く知らなかった。更に、彼女は勝海舟の三男と結婚していたというのだから驚きだ。勝海舟…

Iの悲劇

米澤穂信氏のIの悲劇を読んだ。周辺市町村が合併して誕生した南はかま市。その東側に位置した旧・間野市の更に東端に蓑石という村があった。市街地を抜け、交通量の少ない山道を渓流に沿って進んでいくと、左右から暗い山が迫ってくる。道が消えてしまうよう…

生物学探偵セオ・クレイ 森の捕食者

アンドリュー・メインの生物学探偵セオ・クレイ 森の捕食者(原題 The Naturalist)を読んだ。アメリカの北西部、カナダとの故郷に位置するモンタナ州、その山中のフィールドワークをしていた生物情報工学の教授であるセオ・クレイはジョニパー・パーソンズの…