隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

2020-12-01から1ヶ月間の記事一覧

江戸染まぬ

青山文平氏の江戸染まぬを読んだ。本書は短編集で、「次々の小袖」、「町になかったもの」、「剣士」、「いたずら書き」、「江戸染まぬ」、「日和山」、「台」の七編が収録されている。よくわからぬという感想を抱いたものが何篇かある。「いたずら書き」と…

『七人の侍』ロケ地の謎を探る

高田雅彦氏の『七人の侍』ロケ地の謎を探るを読んだ。2020年は黒澤明生誕110年、三船敏郎生誕100年の年なのだという。その割には世間的には関連するイベントは特に行われていないような気がするのだが、私が気づいていないだけなのだろうか。私が気づいたの…

影を呑んだ少女

フランシス・ハーディングの影を呑んだ少女 (原題 A SKINFUL OF SHADOWS)を読んだ。本物語の主人公はメイクピースという名の少女で、母親と一緒にロンドン近郊のポプラの町におじ・おばの所に居候していた。ある日母と一緒にロンドンに行ったときに暴動に巻…

砂と人類 いかにして砂が文明を変容させたか

ヴィンス・バイザーの砂と人類(原題 THE WORLD IN A GRAIN The Story of Sand and How It Transformed Civilization)を読んだ。この本を読む前は、砂漠化する大地と人類との攻防について書かれているのかと思ったが、それについても書かれていたが(第9章)、…

飼いならす――世界を変えた10種の動植物

アリス・ロバーツの飼いならす――世界を変えた10種の動植物(原題 Tamed: The species that changed our world)を読んだ。ある種反穀物の人類史――国家誕生のディープヒストリー - 隠居日録やコロンブスの不平等交換 作物・奴隷・疫病の世界史 - 隠居日録にも通…

この本を盗む者は

深緑野分氏の「この本を盗む者は」を読んだ。この本を読む前は知らなかったのだが、ブック・カース(book curse)という言葉があるようだ。ヨーロッパ中世の頃、本の盗難を防ぐために本にかけられた呪いの事のようだが、その起源は紀元前にさかのぼるという。…

不純文学 1ページで綴られる先輩と私の不思議な物語

斜線堂有紀氏の不純文学 1ページで綴られる先輩と私の不思議な物語を読んだ。私は三日おきに記憶をなくすようになったようなのだが、先輩は30分で記憶をなくすという。この物語は30分のうちの3分で先輩が先輩で、私が後輩であることを教える物語だ。タイトル…