隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

マネーの魔術史 支配者はなぜ「金融緩和」に魅せられるのか

野口悠紀雄氏のマネーの魔術史 支配者はなぜ「金融緩和」に魅せられるのかを読んだ。この本は貨幣の歴史についての本で、サブタイトルにあるように、いかにして支配者がその価値を水増ししたのかということの説明だ。金融緩和とは貨幣の量を増やすことを意味…

狐火の辻

竹本健治氏の狐火の辻を読んだ。湯河原のあたりで噂されている不思議な話・都市伝説の裏には実際に事件があったという感じのミステリーだ。最初の「序としての断章」にそれらの話が語られている。一つは森の奥の沼のそばに隠れ家があり、そこには黒いマント…

脳はあり合わせの材料から生まれた

ゲアリー マーカスの脳はあり合わせの材料から生まれた(原題 KLUGE The Haphazard Construction of the Human Mind)を読んだ。この本を読む前は、タイトルから、脳の進化に関して書かれているのだと思っていたのだが、実際は脳の進化の心理学側面(即ち進化心…

気候で読み解く日本の歴史―異常気象との攻防1400年 (2)「江戸時代」

田家康氏の気候で読み解く日本の歴史―異常気象との攻防1400年の後半。前半はこちら。 江戸時代 寛永の飢饉 寛永十三(1636)年から旱魃による凶作の記録が出てくる。寛永十五(1638)年から寛永十八(1641)年にかけて、畿内から西日本にかけて家畜牛の大量死が記…

気候で読み解く日本の歴史―異常気象との攻防1400年 (1)「奈良時代から室町時代まで」

田家康氏の気候で読み解く日本の歴史―異常気象との攻防1400年を読んだ。長くなったので2分割とした。後編はこちら。本書を読むと日本では本当に昔から天候不順を契機に飢饉が発生し、多くの人々の命が奪われてきたことに驚く。それから比べると、農業技術の…

魔法使いと最後の事件

東川篤哉氏の魔法使いと最後の事件を読んだ。さらば愛しき魔法使いの最後で雑誌に魔法を使っているところをスクープされてしまい、魔法使いマリィが突然いなくなってしまったので、このシリーズは終わりなのだろうなぁと漠然と思っていたら、続巻が出た。人…

so-netのCHAN-TORUはGASからのアクセスを許さない

so-netのスマホ向けテレビ番組表「CHAN-TORU」がJSON形式でデータを渡してくれるのに気が付いた。それでGASで取得すれば何か面白そうなことができそうだと思って、試しにコードを書いてみた。SONYはレコーダーを作っているからグループ内でこのようなサイト…

ライ麦畑でつかまえて

J.D.サリンジャーのライ麦畑でつかまえて(原題 Catcher in the Rye)を読んだ。色々なところで言及されたり、引用されたり、参照されたりするサリンジャーのライ麦畑でつかまえてだが、今まで読んだことがなかったので、どんなものなのだろうと思い読んでみた…

公卿会議―論戦する宮廷貴族たち

美川圭氏の公卿会議―論戦する宮廷貴族たちを読んだ。藤原道長の日常生活で倉本先生が書かれていた平安貴族に対する現代人のイメージはどうやら50年前に土田直志鎮という歴史学の先生の言葉がオリジナルのようだ。摂関政治期には、重大な問題があれば、陣定と…

いけない

道尾秀介氏のいけないを読んだ。本書は蝦蟇倉市を舞台にした連作短編のミステリーだ。4編納められており、「弓投げの崖を見てはいけない」、「その話を聞かせてはいけない」、「絵の謎に気づいてはいけない」、「町の平和を信じてはいけない」がそれぞれのタ…

記憶術全史 ムネモシュネの饗宴

桑木野幸司氏の記憶術全史 ムネモシュネの饗宴を読んだ。数年前から物覚えが悪くなった。年齢による問題だとは思うのだが、なんとかならないかと思っている。実生活にさほど影響のあるものではないのだが、例えば、朝、洗面をしながら、家を出る前にアレをし…