隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

キリオン・スレイの敗北と逆襲

都筑道夫氏のキリオン・スレイの敗北と逆襲を読んだ。キリオン・スレイシリーズの最終巻で、初めての長編作品。キリオン・スレイもいつの間にか日本を離れて、ニューヨークに帰っており、しかも音信不通になっているので、その消息を知る者は誰もいなかった…

FreeBSD NanoPi NEO2上でpowerdが使えるようになった

FreeBSDにはpowerdという機能があり、CPUの負荷状況をモニタリングして、CPUのクロックを制御してくれる。この機能を使うにはcpufreqがkernelに必要で、arm/Allwinner - FreeBSD Wikiを見る限りはAllwinnerでも使えるように見える。しかし、NaoPi NEO2を普通…

国語教師

ユーディト・W・タシュラーの国語教師(原題 Die Deutschlehrerin)を読んだ。タイトルの国語教師とはマティルダ・カミングスキーのことだ。彼女はインスブルックの女子校で国語教師をしている。彼女の勤める聖ウルスラ女子ギムナジウムが「生徒と作家のワーク…

オルシニア国物語

アーシュラ・K・ル・グィンのオルシニア国物語(原題 ORSINIAN TALES)を読んだ。本書はル・グインによって書かれていて、早川文庫のSFのカテゴリーになっているし、タイトルもそれっぽいので、てっきりファンタジーだと思っていた。しかし、これはファンタジ…

ザリガニの鳴くところ

ディーリア・オーエンズのザリガニの鳴くところ (原題 Where the Crawdads Sing)を読んだ。この作品は北上ラジオの第13回目で紹介されていた。ディーリア・オーエンズ『ザリガニの鳴くところ』は、2020年を代表する素晴らしい小説だ!「北上ラジオ」第13回 P…

とてつもない失敗の世界史

トム・フィリップスのとてつもない失敗の世界史(原題 HUMANS A Brief History of How We F*cked It All Up)を読んだ。本書は我々人類が過去から未来にわたって犯してきた愚かしいミスをあげつらった本である。扱っている範囲は広範囲で、環境、外来種、独裁…

シルヴィーとブルーノ

ルイス・キャロルのシルヴィーとブルーノ (原題 Sylvie and Bruno)を読んだ。この物語はシルヴィーとブルーノという姉弟のストーリーと、私とその若き友アーサー・フォレスターのミリュエル嬢をめぐるストーリーが入れ子のように語られていく。シルヴィーと…

ドグラ・マグラ

夢野久作のドグラ・マグラを読んだ。この本を読むのも2回目で、1回目は多分1990年代の何時かがだったのだと思うが、正確には記憶していない。きっと、匣の中の失楽を読んで、虚無への供物を読んで、ドグラ・マグラを読んだのではないかと想像しているのだが…