隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

南北戦争 アメリカを二つに裂いた内戦

小川寛大氏の南北戦争 アメリカを二つに裂いた内戦を読んだ。南北戦争に関しては中学か高校の世界史で学んだという記憶があるぐらいで、北部の州は奴隷解放、南部の州は奴隷制維持を掲げて戦ったという事ぐらいしか、記憶に残っていなかった。後年、アメリカ…

あなたへの挑戦状

阿津川辰海氏、斜線堂有紀氏のあなたへの挑戦状を読んだ。二人の作家の競作という事なのだが、どのような競作かというと、ある謎を相手に出題し、その謎を受け取った側はその謎を解明するための推理小説を書くというような競作だ。なので、本書には2編収めら…

因果推論の科学 「なぜ?」の問いにどう答えるか

ジューディア・パール、 ダナ・マッケンジーの因果推論の科学 「なぜ?」の問いにどう答えるか(原題 The Book of Why The New Science of Cause and Effect)を読んだ。非常に興味深いのだが、残念ながら、この本の説明だけではよくわからないところも多々あっ…

王家の遺伝子 DNAが解き明かした世界史の謎

石浦章一氏の王家の遺伝子 DNAが解き明かした世界史の謎を読んだ。タイトルで述べられている王家とはイギリスとエジプトのことだ。イギリスの王に関しては2012年に駐車場で発見された人骨にまつわる物語で、この人骨発見の件に関して10年前のことだが、全く…

夏鳥たちのとまり木

奥田亜希子氏の夏鳥たちのとまり木を読んだ。この作品も、本の雑誌で北上氏が紹介していた小説だ。www.webdoku.jp埼玉県の公立中学校に勤める田丸葉奈子の担任の生徒が連絡は付くものの外泊をして家に帰らないという出来事が起きた。その出来事を起点に、葉…

あさとほ

新名智氏のあさとほを読んだ。この小説はどのジャンルに入るのか判断に苦しむ。何とも言えない不思議なストーリだった。大橋夏日には青葉という名前の双子の妹がいたはずなのだが、小学生の頃のある日廃屋を探検している時にいなくなってしまった。不思議な…

録音された誘拐

阿津川辰海氏の録音された誘拐を読んだ。これはよくできたミステリーだ。タイトルにある通り、このミステリーで扱っているのは誘拐事件だ。本書の中でも散々指摘されているが、今時営利誘拐ほどリスキーな犯罪はないだろう。決定的な問題は身代金回収のため…

地図と拳

小川哲氏の地図と拳を読んだ。この小説を一言で言い表すのは難しい。ゲームの王国のように途中から時間が未来に進むのかと思ったのだが、時間軸は常に過去にあり、20世紀の前半を仙桃城という満州にあったとする架空の都市を中心に、中国と日本とソビエトの…