隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ロボットには尻尾がない

ヘンリー・カットナーの ロボットには尻尾がない (原題 Robots Have No Tails)を読んだ。アル中の発明家ギャロウェイ・ギャラガーが酔っ払っている時にとてつもないものを発明して、それにまつわるトラブルに悩まされるというSF調のドタバトコメディー。ギャ…

AI監獄ウイグル

ジェフリー・ケインのAI監獄ウイグル (原題 The Perfect Police State)を読んだ。数年前から新疆ウイグル自治区で行われていると言われている著しい人権侵害について書かれている本だ。色々な所から入ってくる情報を見ていて、なんとなくわかっているつもり…

黛家の兄弟

砂原浩太朗氏の 黛家の兄弟を読んだ。架空の神山藩を舞台にした時代小説。時代は宝暦の頃の事と思われる。タイトルにある黛家は神山藩で筆頭家老を勤める家系の家柄で、栄之丞、壮十郎、新三郎の三兄弟がいた。その藩の次席家老の漆原家の娘が藩主の側室にな…

進化の技法――転用と盗用と争いの40億年

ニール・シュービンの進化の技法――転用と盗用と争いの40億年 (原題 SOME ASSEMBLY REQUIRED: Decoding Four Billion Years of Life, from Ancient Fossils to DNA)を読んだ。本書は生命の大進化が起きる仕組みを、生命科学の発見の歴史と絡めて解説した本だ…

深層学習の原理に迫る 数学の挑戦

今泉允聡氏の深層学習の原理に迫る 数学の挑戦を読んだ。本書は深層学習がなぜ既存のニューラルネットワークに比べて高い性能が出るのかについて解説している。数学的側面から解説はしているが、難しい数式は殆ど出てこない。 多層の理由 普遍近似定理で「層…

同志少女よ敵を撃て

逢坂冬馬の同志少女よ敵を撃てを読んだ。本書は第11回アガサ・クリスティー賞受賞作で、北上ラジオの第40回で紹介されていた。甘さが微塵もなく非常に緊密な冒険小説『同志少女よ、敵を撃て』逢坂冬馬(早川書房)の登場に驚愕すべし!【北上ラジオ#40】 - Y…

らんたん

柚木麻子氏のランタンを読んだ。恵泉女学園の創始者である河井道の物語。明治・大正・昭和と非常に長い時間を描いている物語で、全く財力も資金もない女性が学校を創設し、育てていく様を、色々な人物との交流を通して描いている。多数の実在の人物が登場し…