隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

幕末社会

須田努氏の幕末社会を読んだ。どの年代からを幕末と呼ぶかはいろいろ意見はあるだろうが、著者は天保時代からを幕末ととらえていて、本書では天保時代から取り上げている。いわゆる幕末も1868年に近づけば近づくほど、とてつもなく色々な出来事が起こってき…

鎌倉公方と関東管領 (対決の東国史 4)

植田真平氏の鎌倉公方と関東管領を読んだ。本書は対決の東国史シリーズの一冊で、室町時代の中頃までを鎌倉公方と関東管領という切り口で解説した本だ。 鎌倉公方・関東管領 鎌倉公方と言えば、室町時代にも鎌倉に駐在し、関東に睨みを利かせていた室町幕府…

スタッフロール

深緑野分氏のスタッフロールを読んだ。タイトルから想像できるように今回は映画の話で、ミステリーでもSFでもファンタジーでもない。物語は2部構成になっていて、第一部のマチルダ・パートは第二次世界大戦後の1948年アメリカで始まる。主人公はマチルダ・セ…

ヒトはなぜ戦争をするのか?―アインシュタインとフロイトの往復書簡

アインシュタインとフロイトの往復書簡 ヒトはなぜ戦争をするのか?を読んだ。 講談社のサイトにこの本の紹介があって、興味を持ったので読んでみた。「人はなぜ戦争をするのか」アインシュタインとフロイトが話し合った「壮大な問題」(講談社学術文庫) @ge…

八月の母

早見和真氏の八月の母を読んだ。この小説は北上ラジオの第44回で紹介されていた。大切なことは敵をつくることではなく自分の力で立つことだ!『八月の母』早見和真(KADOKAWA)は2022年のベスト3に入ると断言!【北上ラジオ#44】 - YouTube「八月は母の匂い…

戦争プロパガンダ 10の法則

アンヌ・モレリの戦争プロパガンダ 10の法則(原題 Principes élémentaires propagande de guerrel)を読んだ。本書は1928年にロンドンで出版されたアーサー・ポンソンビーの「戦争の嘘」に書かれている戦争のプロパガンダの10項目の法則について、著者のモレ…

Babel IV 言葉を乱せし旅の終わり

古宮九時氏のBabel IV 言葉を乱せし旅の終わりを読んだ。このシリーズの最終巻で、なぜこの大陸には共通言語があるのか、なぜ異世界から迷い込んできた雫は言葉に不自由しなかったのかの謎が解き明かされている。それだけではなく、Babel Iから登場していた…

Babel III 鳥籠より出ずる妖姫

古宮九時氏のBabel III 鳥籠より出ずる妖姫を読んだ。前巻の最後で雫は誰かに拉致されたところで終わっていたのだが、拉致された先はファルサスの隣国のキスクで、そこで雫は謎の病の治療をすることになったのだ。その病はその世界の話し言葉と深く関係して…

Babel II 魔法大国からの断罪

古宮九時氏のBabel II 魔法大国からの断罪を読んだ。前巻の終わりでどこかわからない場所に転移してしまった雫とエリクだったが、彼らが辿り着いたのは大陸のほぼ西側で、大陸の東の方から目的地のファルサス王国を飛び越えてしまった。ファルサス自体は大陸…