隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

走馬灯のセトリは考えておいて

柴田勝家氏の走馬灯のセトリは考えておいてを読んだ。本書はSF短編集で「オンライン福男」、「クランツマンの秘仏」、「絶滅の作法」、「火星環境下における宗教性原虫の適応と分布」、「姫日記」、「走馬灯のセトリは考えておいて」の6編。「オンライン福男…

あの図書館の彼女たち

ジャネット・スケスリン・チャールズのあの図書館の彼女たち (原題 THE PARIS LIBRARY)を読んだ。本書の舞台の一つはパリにあるアメリカ図書館で、これは実際にパリに存在する図書館なのだという。第一次世界大戦中にアメリカの図書館から戦地の兵士に送られ…

#真相をお話しします

結城真一郎氏の #真相をお話ししますを読んだ。本書はジャンルとしてはミステリーで、「惨者面談」、「ヤリモク」、「パンドラ」、「三角奸計」、「#拡散希望」の5編が収められた短編集だ。本書をネタバレせずに説明するのは非常に難しい。それぞれのストー…

ボマーマフィアと東京大空襲 精密爆撃の理想はなぜ潰えたか

マルコム・グラッドウェルのボマーマフィアと東京大空襲 精密爆撃の理想はなぜ潰えたか (原題 THE BOMBER MAFIA)を読んだ。以前NHK BSプレミアムで放送されていた映像の世紀プレミアムで太平洋戦争時の東京空襲に触れている回があり、その中で、「米軍は当初…

修道女フィデルマの采配

ピーター・トレメインの修道女フィデルマの采配を読んだ。本書には「みずからの殺害を予告した占星術師」、「魚泥棒は誰か」、「養い親」、「「狼だ!」」、「法定相続人」の5編が収められている。この中の「養い親」は珍しい「養育制度」というアイルランド…

修道女フィデルマの挑戦

ピーター・トレメインの修道女フィデルマの挑戦を読んだ。本書は短編集で、「化粧ポウチ」、「痣」、「死者の囁き」、「バンシー」、「消えた鷲」、「昏い月 昇る夜」の6編が収められている。最初の「化粧ポウチ」ではフィデルマはまだ16歳ぐらいで、ちょう…

コード・ガールズ――日独の暗号を解き明かした女性たち

ライザ・マンディのコード・ガールズ――日独の暗号を解き明かした女性たち (原題 CODE GIRLS The Untold story of American Women Code Breakers of Wold War II)を読んだ。本書は暗号解読の役割を担った女性たちという切り口で第二次世界大戦中を描いている…

黄金虫変奏曲

リチャード・パワーズの黄金虫変奏曲 (原題 The Gold Bug Variations)を読んだ。何かでこの本事が紹介されていて、 原題 のタイトルはエドガー・アラン・ポーのGold-Bug(黄金虫)とバッハのゴールドベルグ変奏曲をかけ合わせた物である。 DNAの4つの塩基が何…