隠居をしてみたものの、年金がもらえるような年齢になるまでは、まだ当分の先で、何か得する方法でもあればと思い、読んでみた。
著者は年金機構の元理事となっている。
第一章には2035年には年金の受取額が3割減るという不安を煽るような内容から始まっている。まず、支給開始年齢が遅くなり、その影響で12%減ってしまう。それに、物価スライド、何度聞いてもよくわからないマクロ経済スライドの影響で、減ることはあっても増えることはなさそうな年金。で、結局は公的年金には頼ってばかりいられないので、税の優遇措置のある準公的年金として準備せよということだ。
第二章で書かれている、契約前にべき3つの質問で、
- お金を渡した直後、例えば3か月後にどうしても換金したい、といえばどうなる?
- 預けている期間中の、手数料や報酬は、いくらぐらい?
- 預けた先が倒産したら、どうなるの?
一番目は換金性、二番目は運用コスト、三番目は資産の保護ということだが、いつも三番目に関しては、どうなっているかさっぱりわからない。今の世の中、何十年ももつような会社やら投資組合やらはあるのだろうか?
第三章にかかれている、
将来のことが誰にもわからないからこそ、そこそこの売り手と買い手が存在して、株式市場が成り立つのです。いわば市場というのは、あまりよく知らない人と、無鉄砲な人と、少しはわかっている人の、売りと買いで成り立っている、とも言えます。
という説明が凄く納得できた。当たり前のことだが、売る人と買う人がいないと売買は成立しないのだ。
第四章に「カラ期間」というのが書かれており、
平成3年3月以前に学生だった期間
私が若いころは20歳を過ぎても学生のうちは国民年金に加入するということはなかったので、学生の時の未加入期間は欠格期間だと思っていたのだが、どうやらこの期間は合算されるようだ。だたし、年金自体は納めていないので年金支給額には反映されない。ということは、私もとっくの昔に25年の受給資格期間は経過していたことになる。
結局、何か魔法のような方法で得するもらい方が書かれているのかと思ったが、そのようなものは書かれていなかった。