隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

ドミノ

何か楽しい小説はないかと検索して見つけて、恩田陸氏の本書を読んでみた。楽しいというのは本当はユーモアのあるということを念頭に置いていたので、希望していたものとは若干違ったが、愉しく読んだ。

この小説は関東生命の八重洲支社が7月の契約目標を守るために、千葉の房総の方から東京まで契約書を運ぶメインストーリに、色々な人が巻き込まれたり、飛び込んで来たりして展開してゆくストーリーになっている。メインの契約書を運ぶストーリと東京駅で起きた「どらや」の4つの紙袋が入れ替わったことによるストーリーが、物語の真ん中あたりで交差し、いったんは合わさったストーリーがこのまま結合して進行すると思いきや、二つのストリーはまた離れていく。物語の後半で二つのストリーはまた交差し今度はひつにになって終盤に突入していく構成になっている。ストリーはいったん最後で終わりを迎えるが、若干の余韻を残して物語は終了している。

一点書き忘れていた。ストーリーの中で千葉県警が警視庁管内の東京駅まで出張ってきているようになっているが、これはいただけないと思うのだが。