隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

殺意は必ず三度ある

東川篤哉氏の鯉ヶ窪学園探偵部シリーズ第二作目。今回は野球部を舞台にした殺人事件が起こる。まず、鯉ヶ窪学園野球部のベースが盗まれたのが事件の発端となる。その後、野球部のライバル校である飛龍館高校との練習試合の日に、鯉ヶ窪学園野球部監督の他殺死体が発見される。そして、その死体の傍には鯉ヶ窪学園から盗まれたホームベースと、更に、キャッチャーミットとボールが置かれていた。これの意味するところは何か?

そして、第二の殺人が起きる。飛龍館高校の関係者の竜ヶ崎賢三が自宅近くの神社でナイフで刺殺されていた。そしてそこには、また鯉ヶ窪学園から盗まれたベースと、グローブとボールが置かれていた。

探偵部の面々はこの奇妙な遺留品は野球見立て殺人を示唆していることを看破する。第一の殺人は補殺を、第二の殺人は刺殺を。そして、それは第三の殺人を示唆している。なぜなら、野球はスリーアウトだから。

と、ここまではそれなりに面白かったのだが、第三の殺人がちょっととってつけたような感じなところと、鯉ヶ窪学園からベースの盗まなければならない必然性がちょっとしっくりこなかった。