隠居日録

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2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

知らないと恥をかくアフリカの問題 (作り出された対立 ルワンダ)

NHKラジオ第二の「カルチャーラジオ 歴史再発見」で放送されていた「アフリカは今~カオスと希望と」の第九回目。

ルワンダでは千九九十四年に大虐殺が起きた。ルワンダの最大部族であるフツが少数派であるツチに襲い掛かって、一方的に殺しまくるという状態が起きた。その結果八十万から百万の人たちが殺され、民族抹殺のようなひどい殺戮が起きた。

ルワンダの歴史

アフリカのリフトバレーと呼ばれる大地溝帯に沿ってあるヴィクトリア湖タンガニーカ湖の間にある国で、ここにはもともとフツとういう人々が住んで、農業を行っていた。そこに五百年ぐらい前にツチという遊牧民が北からやってきて占領支配した。人口構成は、フツが84パーセント、ツチが15パーセントぐらいだ。遊牧民の方が武力的に強かったので、ツチ族フツ族を支配するようになり、いうなればツチ王国ができた。

19世紀から20世紀の終り頃ヨーロッパ列強がこの地域に手を付け始めた。まずドイツが占領するが、第一次世界大戦で敗れたことにより、ベルギーがこの地域を信託統治することになった。ドイツもベルギーも、そこに存在した支配構造を利用し、ツチ族を使ってフツ族を支配した。

ルワンダは1962年に独立したが、選挙を行うと多数派のフツ族が常に勝つことになってしまった。常に勝つという状況になったので、ここでも政権が腐敗していった。大統領は北部フツの出身だったが、大統領の奥さんが大豪族の出身で、その閨閥でものすごい腐敗が起きた。国のお金のほとんどをみんなで分け取りにしてしまったのだ。その結果経済が回らなくなってしまい、国民の不満が高まりデモは起きるし、大統領・政権の人気は下がっていった。そこで大統領がとったのが、「ツチの連中が悪い」という宣伝を行うことだった。そのためツチに対するフツの憎悪が高まっていってしまった。

部族対立と憎悪

ツチの人たちは、彫りが深く鼻が高く、背も高いという特徴を持っていた。それでフツの人はツチの人を「高い木」と称していた。国営放送のルワンダラジオが一日中「高い木を伐れ」という放送をした。最初はベルギー統治時代にツチがうまく取り入って、うまい汁を吸っていたかというような内容も放送していたが、やがて、「ツチはねずみやゴキブリだ。人間じゃない。殺してもいいんだ」というようにエスカレートしていった。それに危機感を覚えたツチ族は国を逃れ、ゲリラ活動をし始めた。そして、それに対して国営放送は「ツチ族はとんでもない奴らだ。今に我々は皆殺しにされてしまう。殺される前に殺してしまえ」と更にエスカレートしていった。

1994年ハベアリマナ大統領の乗った飛行機が何者かに撃ち落されて、大統領が死んでしまった。そして、これはツチの仕業だということになってしまった。この理由に関してはいまだに判明していない。

4月ラジオがツチの虐殺を呼びかけた。インテラハムウェという民兵組織があり、政府軍は武器を横流しした。この民兵組織が村々を回り大虐殺を行い、これは、ウガンダに基地を持つツチ族のゲリラ組織が首都を攻め上がり、フツの政府が崩壊するまで3か月続いた。

 ツチ族フツ族の対立はいまだに解消されていない。

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