ここで外交の部分が「外交」となっているのは、混乱を避けるためで、戦国期の大名を一つの国家とみなして、大名同士の交渉を外交としているからで、戦国大名が外国の国と独自に行っていた外交の話ではないからである。
本書は戦国期の大名の外交について非常に詳細に述べられていて興味深い。まず、なじみのない言葉がたくさんあって、そのあたりから理解していかないと、読み進めるのに苦労する。
- 取次
- 外交担当者
- 中人
- 和睦などの仲介者
- 国分
- 国境線の画定
- 手合
- 同盟者に対する軍事支援
- 手切
- 同盟破棄
- 乱取り
- 乱妨取りとも。敵国に責められた村落が略奪にあうこと
- 禁制
- 略奪にあわないようにお墨付きを大名からもらうこと
- 半手
- 国境に位置する村落に中立することを許すこと。年貢は両大名に半分ずつ収める
- 書札礼
- お互いに交換される書状の作法のこと。またその作法を記した書物を書札礼書と呼ぶ
同盟や和睦の場合は、最終的には起請文を交換することになるのだが、そこには花押と血判が添えられた。血判というと指に傷をつけて拇印を押すというようなイメージがあったが、実際には花押に血を垂らすのだという。一方で信長は後年花押を押さずに、天下布武の判を押すようになったらしい。