隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

巨神覚醒

シルヴァン・ヌーヴェルの巨神覚醒を読んだ。本作は巨神計画 - 隠居日録の続編で、前作から9年経った所から物語が始まっている。前作で発掘された巨大ロボットはテーミスと名付けられ、国連に所属する地球防衛組織EDCに所属することになっていた。9年間に何が起こったかはあまり語られていない。本作では、ロンドンにテーミスと同じような巨大ロボットが突然登場する。何物がどのような目的で送り込んでかは不明だが、ロボットはじっとしているだけで、何もしなかった。イギリスがその巨大ロボットに軍隊を送るまでは。

上巻の前半ではロンドンに現れた巨大ロボットをヴィンセントとカーラが操るテーミスにより辛くも破壊することができたが、それだけでは済まなかった。更に13体の巨大ロボットが世界各地の人口密集地域に送り込まれてきたのだ。

第二作目の巨神覚醒では前巻で謎であった記録の語り手とか、謎のミスターバーンズの素性が明らかにされる。そして、地球に送り込まれたロボットも何とか追い払うことができるのだが(でないと、本巻で話が終わってしまう)、そこはロボット自体ロボットではなく、異星人対地球人という構造に置き換えて解決している辺り、単なるロボット物ではないことを表したかったのだろう。今回色々なことが明らかにされたが、ラストの所で思わぬ展開を見せて終わっているので、次にどうつながって、どう話が収束を迎えるのかが楽しみだ。

上巻のこのカバーイラスト正しいのかな?脚部は膝から下は人類とは逆向きになっているのではなかったのだろうか?