隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

パワー

ナオミ・オルダーマンのパワー(原題 The power)を読んだ。本書は歴史学者の二―ル・アダムス・アーモンが「大変動」の時に何が起こったのかをノベライズしたという体をした小説になっている。

では「大変動」とは何か?

それはある日突然女性たちが雷霆(いかずち)を手から出すことが可能になったことを指す。最初は十代後半の少女たちがなぜかその能力を手に入れた。そして彼女らはその力を徐々にほかの世代の人たちに広めていったのだ。この事により、男と女の支配・被支配関係が徐々に崩れていく。特に顕著だったのは、女性が抑圧されていた中東やインドで、そこでは大規模な暴動が起きた。また、東欧の人身売買を半ば公然と行っていた国でだった。

本書には「あと十年」、「あと九年」というように章題がついていて、「大変動」までの年数が分かる仕組みになっている。また、物語は4人の女性と一人の男性の視点で語られていく。そして、バラバラだった5人はだんだんお互いに交わるようにストーリーは進行することになる。

この本を読んで、なぜ現在のような男性優位社会になっていて、一向にその状況が変わらないのだろうという疑問が湧いてくるし、仮に有無を言わさずに、他を圧倒できる何らかの力を手に入れると、本当にこんなことが起こるのだろうか?ただそうなったら、世の中は男にとって安全な場所ではなくなるだろうななどと考えてしまった。