隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

クロストーク

コニー・ウィリスのクロストーク(原題 crosstalk)を読んだ。

本の雑誌2019年3月号で北上次郎氏が絶賛していたので、実物を見てみると、2段組で700ページの大作だった。「どう考えても読み終えるのには1週間はかかるなぁ」と思い躊躇してしまった。そのあと、Youtubeで以下の動画を見つけた。

本の雑誌 Presents 北上ラジオ 第1回 - YouTube

記念すべき北上ラジオの第1回目でまたもや「クロストーク」を推している。ならば、読んでみるかと思い読んでみた。

携帯電話開発会社のコムスパンに勤務するブリディは恋人のトレントに勧められて画期的な脳外科手術EEDを受けることにした。EED手術を受けたペアーはお互いの気持ちを感じることができると言われている。ブリディの周りには詮索付きの同僚ばかりで、なおかつ姉も妹もブリディのプライバシーにお構いなく、ブリディにアパートに出入りしている。彼らに知られないようにEED手術を受けようと何とか苦労して、手術を受けたのだが、その結果はブリディの思い描いたものとは全く違っていた。

なるほど。もっとSF的なものを想像していたのだが、これはラブコメなのか。たしかに、最初は謎のEEDなる手術に関することでストーリーが進んでいくが、途中で話がずれて行って、EEDが何かということはあまり関係なくなってくる。そして、EEDに関してはどんな手術なのかは最後まで明かされない。だが、EEDがストーリーと関係ないかと言えば、そんなことはなく最後までEEDはストーリー上かかわってきているという奇妙な構造をしている。

確かに面白くはあったが、やはり長かった。