隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

里奈の物語

鈴木大介氏の里奈の物語を読んだ。

北上ラジオの第10回で紹介されていた。
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北関東の町で育った高橋里奈という少女が夜の世界でのし上がっていく話なのだが、彼女も彼女の周りの人間も恵まれた環境では生活しておらず、そこに注目するとあまりにも重い話になってしまう。しかし、全体としては成り上がりストーリ的になっていて、そんなに重苦しさはない。しかし、のし上がっていくといっても、やっていることは児童売春でそれで成功するのも何だろうと思いながら読み進めていた。北上氏はラジオの中で絶賛しているが、私としては同じように感じることはできなかった。ストーリーとして面白くないのではなく、扱っているテーマが合わないのだと思う。

読みながら、上のようなことを考えながらなんかもやもやしていたのだが、読み終わって気づいたのは、この物語の構造はジョーゼフ・キャンベルの発見した神話の構造そのものなのではないかと思った。だからテーマとしてはあまり合わないのだが、物語の構造が王道的になっているので、面白いのだろうと思う。何とも不思議な読後の印象を受けた。