首藤瓜於氏の脳男 新装版を読んだ。ブックキーパー脳男の始まりの物語。
物語は愛宕市のどこかの廃工場に茶屋警部が急襲をかけるところから始まる。そこには連続爆弾犯人がアジトにしているはずなのだ。最初の爆弾の襲撃は愛宕市に七星建設が建てた新社屋だった。次の襲撃はテレビタレントの金城理詞子の屋敷。そして、三番目は灰谷六郎という国会議員で、愛宕医療センターに転院のために移送されてきた正にその時に救急車が爆破され、灰谷は死亡した。茶屋警部らが踏み込んだ倉庫の内部では、連続爆弾事件容疑者の緑川と、別な男が格闘をしていたのだった。緑川は周到にも倉庫内に爆弾を仕掛けており、そのために警察は彼を逮捕できず取り逃してしまった。その代わり確保したのが緑川と格闘していた男で、それが鈴木一郎だった。
逮捕された鈴木一郎は爆弾犯の一味として裁判にかけられるのだが、公判中に弁護側から精神鑑定の要求があり、愛宕医療センターの鷲谷真梨子が精神鑑定を担当することになるのだった。そして、鈴木一郎とは何者なのかを探る長い道のりが始まるのだ。
読み始めたときは茶屋警部がメインの物語なのかと思ったら、実は鷲谷真梨子がメインの物語だった。当然脳男である鈴木一郎の物語でもあるのだが、いかんせん鈴木一郎という存在が何とも言えない造形なので、脳男鈴木一郎とは何者という事に関しては、本書を読んでわかったが、鈴木一郎の目的はなんだかわかったようなわからないような感じだ。突如正義に目覚めたダークヒーローなのか?