隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

闇に用いる力学 黄禍篇

竹本健治氏の闇に用いる力学 黄禍篇を読んだ。2巻目である黄禍篇でどういう物語なのかというのは分かったような気がする。ただ、まだ3巻目の青嵐編があるので、物語がどう転がるかは予断を許さない。

この物語はメルド、ミュータイプ、ウバステリズムでできている。メルドとは世間で頻発してきていた謎の突然死が感染症が原因であることが明らかになり、このような名前が付けられたのだ。メルドという言葉がどこから来たのかはよくわからない。そして、メルドは高齢者ほど致死率が高く、若年層ではほとんど発症しないという特徴も持つ。ミュータイプというのは超能力者の事。彼らが日本全国に一斉に送ったメールの送信者がミュータイプだと言ったことから、広まった呼び方だ。そして、ウバステリズムは「姥捨て」から来ているであろう言葉で、高齢化の問題を解決するのは高齢者に退場してもらう事しかないという考え方で、最初はゲームで使われた言葉だった。それが、いつの間にか世に広がっていったのだ。

以下内容の深く振れている。

実はメルド、ミュータイプ、ウバステリズムは密接に関連しあっていて、ミュータイプは人為的に生み出されたのではないのかという事が示唆されていて、そのためにウィルスの研究をしていて、その過程で偶然生まれたのかメルドだというのだ。この辺りのことを裏で操っていそうなのが鳥羽皇基という蛇眼を持つ謎の男なのだが、この男が何者なのかはよくわからない。

次の青嵐編で物語は終わることになるのだろうが、どのような結末を迎えるのだろうか?