隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

居酒屋「一服亭」の四季

東川篤哉氏の 居酒屋「一服亭」の四季を読んだ。純喫茶の姉妹編だろう。この本でも安楽椅子探偵椅子よりこさんが謎を解くのだが、今回は純喫茶ではなく、古民家風の居酒屋になっていて、店の名前も「一服亭」と微妙に変わっている。しかも、この作品の椅子さんは二代目という設定になっている。といっても、極度の人見知りであるという設定は、前巻と同じで、今回の椅子さんは謎を解きながら日本酒を飲むのが大好きということになっていて、最後には飲み過ぎてダウンしてしまう。収録されている短編のタイトルは「奇麗な脚の女」、「首を切られた男たち」、「鯨岩の片脚死体」、「座っていたのは誰?」。

今回も収録されているのは猟奇的な殺人事件で、「奇麗な脚の女」は密室バラバラ殺人事件、「首を切られた男たち」は死体損壊事件で頭部が持ち去られている。「鯨岩の片脚死体」は遺体損壊事件で、片脚が切り落とされていて、「座っていたのは誰?」はバラバラ殺人事件だ。本巻の事件も猟奇的な殺人事件ばかりで、さらに椅子さん登場人物にミスディレクションさせるかのような料理を出すことでひねりを加えている。「鯨岩の片脚死体」は一応足を切り落とした理由の説明にはなっているが、ちょっとうなってしまう理由になっていて、そのために足を切り落とすのはどうなのだろうと考えてしまった。