隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

GOSICK BLUE

桜庭一樹氏のGOSICK BLUEを読んだ。GOSICKの新大陸グレイウルフ探偵社編第二弾だが、実は時系列が巻戻ってREDより前の話となる。

ヴィクトリカと久城一弥は正に移民船で旧大陸から新大陸に向かい、まさにニューヨークに到着したところだった。なぜ彼らが旧大陸から新大陸にやってくることになったのか?一弥の父親はヴィクトリカを毛嫌いし、旧大陸に送り返せと言い、実際送り返してしまった。それを知った一弥はヴィクトリカを追いかけて旧大陸へ向かい、ようやくヴィクトリカを見つけると、新大陸に向かう移民船に乗ったのだった。そうして、ようやくニューヨークにたどり着いた二人だが、当てにしているのは一弥の姉の瑠璃だった。だが、瑠璃の居場所でわかっているのはグリニッジビレッジのどこかということだけ。しかし、地下鉄が閉鎖されていて、異動することができない。超高層タワーの「アポカリプス」の完成披露パーティのために道路も交通閉鎖されている。しかたがないので、教会で休もうと移動するヴィクトリカと一弥だったが、そこからどんどん巻き込まれていって、アポカリプスのパーティに参加することになってしまった。そして、アポカリプスではとんでもない事件が待っているのだった。

今回のタイトルはBULEがついているので、作中色々なところに青がちりばめられている。最初の方に現れる自由の女神の台座に刻まれている文言の「青き門」は作者の創作なのだろうか?いろいろ検索してみたが見つからなかった。自由の女神の台座にはEmma Lazarusの詩が刻まれているようなのだが、「古き大陸の神々よ、~」から始まるような詩ではないので、作者の創作ではないかと推測している。

本作のストリーは移民船で到着して早々に大事件に巻き込まれるという非常にスピード感にあふれるストーリだった。ただ、冒頭で引用されている北欧神話とBLUEの関連性がいまひとつわからなかった。

GOSICK RED

桜庭 一樹氏のGOSICK REDを読んだ。GOSICKの後に色がついてるシリーズはRED、BULE、PINK、GREENと4冊出ていて、このシリーズでの時代設定は1931年で、ヴィクトリカと久城一弥はニューヨークに移り住んでいる。ヴィクトリカはグレイウルフ探偵社の探偵を、一弥はデイリーロード紙の見習い新聞記者をしている。ヴィクトリカのグレイウルフ探偵社は早くもその筋では有名になっているようだ。そこにイタリアマフィアからの依頼が舞い込んできたのだが、イタリアマフィアとのかかわりを持ちたくないヴィクトリカは、のらりくらりと断ってしまう。イタリアマフィアはそんなことはお構いなしで、強硬手段に出て、何としても自分たちの依頼を受けさせようと、一弥の姉の子緑青を誘拐して、返してほしければ、なぜイタリアマフィアの若者が何の苗ブレもなく殺されているのかの謎を解いて持ってこいと言う。回答の期限は日没まで。ヴィクトリアと一弥は謎を解くべくニューヨークの町を駆けずり回ることになる。しかし、この殺害事件は後に起こる大きな事件の予兆にしか過ぎなかった。

私は今回のシリーズの前日たんに渡る方の詳説は読んでいない。wikipediaで見てみたら、GOSICKが13冊、GOSICKsが4冊と結構な巻数が出ていて、いずれ何かの折にでも読んでみよう、でも今じゃないなぁと思った。多分今回の色がついているシリーズでは新たな敵との戦いになるようで、今回の事件は一応の解決を見せるのだが、今後どうなるのか気になる所だ。

今回のタイトルにREDとついているのは、冒頭に赤ずきんから引用されているからだと思うのだが、赤ずきんと今回のストーリーがどう関係しているのかピンとこなかったのだが、Page 2/2 | 黄金時代のニューヨークでGOSICKな探偵小説が開幕! | ダ・ヴィンチニュースによると、

エピグラフを『赤ずきん』にしたのは色の繋がりもそうですけど、狼に狙われていることに気づいていない無防備な赤ずきんに、“新世界”に来てもFBIやマフィアに目をつけられるヴィクトリカの姿を重ねています。

ということらしい。