隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

答えは市役所3階に 2020心の相談室

辻堂ゆめ氏の答えは市役所3階に 2020心の相談室を読んだ。立倉市役所に「2020心の相談室」が開設され、晴川あかりと正木昭三が相談員として、悩み事や心理カウンセリングすることになった。時はまさにコロナが世に蔓延し始めたころで、みんなが精神…

風よ僕らの前髪を

弥生小夜子氏の「風よ僕らの前髪を」を読んだ。蝶の墓標が面白かったので、早速第一作目も読んでみた。この作品は第30回鮎川哲也賞優秀賞受賞作だ。若林悠希は伯母の高子からある事件の捜査の依頼を受けた。高子の夫で元弁護士の立原恭吾は朝早く犬の散歩中…

蝶の墓標

弥生小夜子氏の蝶の墓標を読んだ。本の表紙の裏のあらすじには、 数年前奇妙な自殺を遂げたかっての同級生の死の調査をする中で、 自殺した少年・要は夏野の痣の絵を描いたという理由でいじめを受け、それを苦に自殺を選んだと思われていた。 というようなこ…

話を戻そう

竹本健治氏の話を戻そうを読んだ。この小説はどのように形容してよいのか、また、どのような小説であるのか説明するのが難しい。物語は佐賀鍋島家十代藩主直正の別邸から始まる。ほどなくして、作者は物語の舞台である幕末の状況について鍋島家を中心に語っ…

言語の本質-ことばはどう生まれ、進化したか

今井むつみ氏、秋田喜美氏の言語の本質-ことばはどう生まれ、進化したかを読んだ。本書は言語の成り立ちについてオノマトペを手掛かりに展開し、仮説を提出している。本書に記号接地問題が書かれているというのを知って、読んでみた。以前東京大学の松尾先生…

一八世紀の秘密外交史:ロシア専制の起源

カール・マルクスの一八世紀の秘密外交史:ロシア専制の起源(原題 Secret Diplomatic History of the Eighteenth Century)を読んだ。マルクスといえば資本論を思い浮かべるが、今までどの本も読んだことがなかった。この本も今の一連のロシアの状況に刺激を…

われら古細菌の末裔: 微生物から見た生物の進化

二井一禎氏のわれら古細菌の末裔: 微生物から見た生物の進化を読んだ。私の子どもの頃は生物は動物と植物の2つに分類されるとされていた。これがいつの頃からか全く用いられなくなり、実はそのことに気付いたのはここ数年のことだ。実際ミドリムシなどは葉緑…

空想の海

深緑野分氏の空想の海を読んだ。本書は短編集である。巻末の初出一覧を見ると、2013年から2022年までの作品が収録されていて、多分今まで本に収録されなかった短編を集めたのではないかと想像している。というのも、収録されている作品に統一したテーマやジ…

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2024年2月17日追記 nitter.netは証明書の更新を止めたようで、サービスしているかどうかわからないが、未だに動いているパブリックインスタンスもある。Nitter Instance Health 2023年8月19日追記 nitter.netは復活したようだ。 2023年8月16日追記 looks lik…

ウクライナ戦争と向き合う ― プーチンという「悪夢」の実相と教訓

井上達夫氏のウクライナ戦争と向き合う ― プーチンという「悪夢」の実相と教訓を読んだ。本書が出版されてからすでに半年以上たっているが、まだ戦争は継続している。このブログを書いている時点で、ワグネルの反乱が起き、あっという間に収束するという全く…