2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧
三上幸四郎氏の蒼天の鳥を読んだ。本作は第69回江戸川乱歩賞受賞作だ。この方の名前に全然見覚えはなかったが、テレビドラマやアニメに脚本を執筆してきた方のようだ。小説としては新人なのだろうが、執筆のキャリアが無いわけではないようだ。本作は実在の…
東圭一氏の奥州狼狩奉行始末を読んだ。本書は東北にある架空の藩が舞台の時代小説で、その藩は馬の産地として有名であった。藩の牧の馬が狼に襲われることがあり、そのために狼狩りという役職がその藩にはあった。物語は序章帰路から始まるのだが、その序章…
井上真偽氏のぎんなみ商店街の事件簿を読んだ。実はこの本は2冊になっていて、一方がbrother編、もう一方がSister編になっている。それぞれの本には3編ずつ収録されており、実は同じ事件を別々の角度から見た物語になっているのだ。Brother編には「桜幽霊と…
川越敏司氏の「意思決定」の科学 なぜ、それを選ぶのかを読んだ。本書はジョン・フォン・ノイマンとオスカー・モルゲンシュタインの「ゲームの理論と経済行動」から発展した意思決定理論に関して平易に解説した本である。何かを選択するときに、合理的に(あ…
倉本一宏先生の紫式部と藤原道長を読んだ。2024年のNHK大河ドラマは紫式部が主人公なので、その関連本の一つだろう。倉本先生はドラマの時代考証もしている。本書はタイトルが紫式部と藤原道長で、二人は同時代の人だが、一体いつどのように出会ったのかが不…
呉勝浩氏のQを読んだ。ミステリーだと勝手に思って読み始めたのだが、ミステリーではなかった。では、どのようなジャンルの小説かというと一言では言い表せない。ロク、ハチ、キュウという血のつながらない姉妹弟がストーリーの中心だ。彼らの父親の町谷重和…
バーバラ・F・ウォルターのアメリカは内戦に向かうのか (原題 HOW CIVIL WARS START AND HOW TO STOP THEM)を読んだ。日本語のタイトルよりは英語の原題の方がこの本の内容をよく表していると思う。どんな状況になったら内戦が起きやすいのかということをま…