隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

2024-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ローマ帝国の誕生

宮嵜麻子氏のローマ帝国の誕生を読んだ。多分この辺りのことは高校の世界史で勉強したと思うのだが、全然記憶に残っていなくて、どのように都市国家ローマがローマ帝国になっていったのかについてはよく知らなかった。日本語でローマ帝国と表現しているが、…

感傷ファンタスマゴリィ

空木春宵氏の感傷ファンタスマゴリィを読んだ。本書は空木春宵氏の第2作目の本で、短編集である。収録作品は「感傷ファンタスマゴリィ」、「さよならも言えない」、「4W/Working With Wounded Women」、「終景 累ヶ辻」、「ウイッツチクラフト≠マレフィキウ…

あなたに聞いて貰いたい七つの殺人

信国遥氏のあなたに聞いて貰いたい七つの殺人を読んだ。本書は殺人鬼対探偵という形式のミステリーになっているが、一捻りされている。殺人鬼はヴェノムと名乗りラジオマーダーをネット配信し、その中で誰かを殺しているのだ。しかも7人殺して、7回ラジオを…

冬に子供が生まれる

佐藤正午市の冬に子供が生まれるを読んだ。何とも言えない不思議な小説だった。まず文体がちょっと奇妙だった。普通地の文では登場人物を呼び捨てにして、「丸田君」の様には書かない。しかし、この小説ではすべてこの調子で、登場人物は呼び捨てにしないの…

ヒトラーの馬を奪還せよ ――美術探偵、ナチ地下世界を往く

アルテュール・ブラントのヒトラーの馬を奪還せよ ――美術探偵、ナチ地下世界を往く (原題 De paarden van Hitler)を読んだ。ヒトラーの馬と言われてもあまりピンとこないと思う。私も全く何のことかわからなかった。ナチスドイツの総統官邸裏にある庭園に通…

最後の三角形: ジェフリー・フォード短篇傑作選

ジェフリー・フォードの最後の三角形 (原題 THE LAST TRIANGLE AND OTHER STORIES)を読んだ。作品のジャンルとしては幻想文学だと思うが、SF寄りの作品だったり、ミステリーのような作品だったり、ホラーテイストの作品だったりと色々な作品が14編収録されて…

兎は薄氷に駆ける

貴志祐介氏の兎は薄氷に駆けるを読んだ。本書は冤罪に関する法廷ミステリーだ。日高英之は叔父の死亡に関して任意の事情聴取を受けていた。聴取にあたった刑事があまりにも執拗に叔父の家に行ったのではないかと尋ね、疲れてきたので帰ろうとしたら、ストー…

もゆる椿

天羽恵氏のもゆる椿を読んだ。時代は幕末、真木誠二郎は小身の旗本の次男坊で、婿の当てがあるわけではないので、世に出る目は全然なく、道場通いをする毎日だった。それがある日佐野兵衛という目付から声をかけられ、裏目付に取り立てられることになった。…

ヒエログリフを解け: ロゼッタストーンに挑んだ英仏ふたりの天才と究極の解読レース

エドワード・ドルニックのヒエログリフを解け: ロゼッタストーンに挑んだ英仏ふたりの天才と究極の解読レース (原題 THE WRITING OF THE GODS The Race to Decode the Rosetta Stone)を読んだ。エジプトの遺跡などに刻まれている絵文字であるヒエログリフの…