隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

2024-05-01から1ヶ月間の記事一覧

兇人邸の殺人

今村昌弘氏の兇人邸の殺人を読んだ。本書は屍人荘の殺人から続く葉村・剣崎コンビシリーズの3作目の作品だ。今回も因縁の班目機関の残党との事件に巻き込まれるというか殴りこんでいくというような作品。一旦潰れたテーマパークが“生ける廃墟"として復活し人…

恐るべき緑

ベンハミン・ラバトゥッツの恐るべき緑 (原題 UN VERDOR TERRIBLE)を読んだ。この小説は何とも表現していいかよくわからない小説だ。ただ一つ、最初に書いておく。これは小説で、この本の中の物語は虚構だということだ。最初の「プルシアン・ブルー」を読む…

魔眼の匣の殺人

今村昌弘氏の魔眼の匣の殺人を読んだ。これは屍人荘の殺人の続編。前回の事件を生き延びた葉村譲はミステリ愛好会の会長になり、剣崎比留子はミステリ愛好会の会員になっていた。剣崎は前回のテロを起こした班目機関に関して調べていると、W県のI郡に真雁地…

ストーンヘンジ ――巨石文化の歴史と謎

山田英春氏のストーンヘンジ ――巨石文化の歴史と謎を読んだ。ストーンヘンジはイギリスのウェールズのソールズベリーにある遺跡で、何とも不思議な存在だ。私は1997年の7月に訪れたことがある。本書によると、現在一般の見学者は遺跡内に入れず、離れた見学…

屍人荘の殺人

今村昌弘氏の屍人荘の殺人を読んだ。「でぃすぺる」を読んで、今更ながらデビュー作にも興味を持ったので、この本も読んでみた。出版された直後かなり話題になっていたのは憶えているが、ミステリーということ以外は全く内容に関しては知らないで読み始めた…

ヤバい統計 政府、政治家、世論はなぜ数字に騙されるのか

ジョージナ・スタージのヤバい統計 政府、政治家、世論はなぜ数字に騙されるのか (原題 BAD DATA How Governments, Politicians and Rest of Us Get Misled by Numbers)を読んだ。著者はイギリスの統計学者で、英国議会の下院図書館所属で、公共政策のための…

タタール人の砂漠

ブッツァーティのタタール人の砂漠を読んだ。例によって、読もうと思ってから、実際に読み始めるまで時間が開き過ぎていて、なぜこの本を読もうと思ったのか今となっては明確ではないが、内容紹介にある「幻想的な作風でカフカの再来と称される」とか「二十…

夜露がたり

砂原浩太朗氏の夜露がたりを読んだ。これは時代小説の短編集で、全体的にほろ苦い、あるいは純粋に苦い作品が多くて、最後の「妾の子」だけがなんとなくいい話風に終わっている。250ページぐらいの本に8編収録されているので、一編辺り30ページちょっとぐら…

宮廷女性の戦国史

神田裕理氏の宮廷女性の戦国史を読んだ。本書はだいたい室町期から江戸時代にはいる辺りまでの時代の宮廷に出仕していた女性に関する本(彼女らの身分とか役割など)なのだが、最初のプロローグにかなり衝撃的なことが書かれている。それは14世紀の南北朝から1…