隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

日本史サイエンス 蒙古襲来、秀吉の大返し、戦艦大和の謎に迫る

播田安弘氏の日本史サイエンス 蒙古襲来、秀吉の大返し、戦艦大和の謎に迫るを読んだ。データを積み上げて、歴史的な出来事を分析して、考察する試みで、数値で裏付けをすることで、説得力を与えている。扱っているのは、元寇、秀吉の中国大返し、戦艦大和だ…

どうかこの声が、あなたに届きますように

浅葉なつ氏の「どうかこの声が、あなたに届きますように」を読んだ。この本は北上ラジオ第20回で紹介されていた。 構成よし! 人物造形よし!! 素晴らしい小説を見つけたぞ!!!(一年遅れで…)『どうかこの声が、あなたに届きますように』浅葉なつ(文春文庫)…

図書室のバシラドール

竹内真氏の図書室のバシラドールを読んだ。直原高校の図書室で司書をすることになった高良詩織の「図書室のxx」シリーズの3作目。1作目、2作目を読んだのは2年半も前で、まさか、3作目が出るとは思っていなかった。このシリーズは高校の司書を務める高良詩織…

建国神話の社会史-虚偽と史実の境界

古川隆久氏の建国神話の社会史-虚偽と史実の境界を読んだ。建国神話とは日本書紀の巻第二神代下にある、天照大神が孫の瓊瓊杵尊を葦原の中つ国に降させ、その後その子孫の彦火火出見が即位して、神武天皇になったという伝説である。そして、その中に「一書に…

里奈の物語

鈴木大介氏の里奈の物語を読んだ。北上ラジオの第10回で紹介されていた。 『里奈の物語』を読むべし! 本の雑誌 Presents 北上ラジオ 第10回 - YouTube北関東の町で育った高橋里奈という少女が夜の世界でのし上がっていく話なのだが、彼女も彼女の周りの人間…

7分間SF

草上仁氏の7分間SFを読んだ。本書はSF短編小説で、11編収められている。90年代の作品が4作、00年代の作品が6作で、書下ろしが1作という割合。コメディタッチだったり、ブラックユーモアたっだり色々多彩な作品が収められている。5分間SFと比べると、ページ数…

楽園とは探偵の不在なり

斜線堂有紀氏の楽園とは探偵の不在なりを読んだ。この小説は、 一人を殺しても地獄に堕ちないが、二人殺せば地獄行き という特殊な世界を舞台にしたミステリーだ。二人の人を殺すと、どこからか天使がやってきて、燃え盛る地面に押さえ込んで、地獄に引きず…

アメリカン・ブッダ

柴田勝家氏のアメリカン・ブッダを読んだ。柴田氏の小説は単なるSFというよりも、観念的なSFだと読むたびに感じる。本書は短編集で、「雲南省スー族におけるVR技術の使用例」、「鏡石異譚」、「邪義の壁」、「一八九七年:龍動幕の内」、「検疫官」、「アメ…