2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧
坂上泉氏のへぼ侍を読んだ。へぼ侍とは志方錬一郎の事である。志方家は三河以来の徳川家臣で、大阪東町奉行所の与力として数代前から大阪に土着していた。奉行所の御役目の傍ら、剣術の町道場を営み、武士や町人に指南している家柄であったが、幕末の時、錬…
都筑道夫氏のキリオン・スレイの復活と死を読んだ。キリオン・スレイシリーズの2冊目。本書には「ロープウエイの霊柩車」、「情事公開同盟」、「八階の次は一階」、「二二が死、二死が恥」、「なるほど犯人は俺だ」、「密室大安売り」、「キリオン・スレイの…
井上真偽氏の恋と禁忌の述語論理を読んだ。本書は連作短編で、「スターアニスと命題論理」、「クロスノットと述語論理」、「トリプレッツと様相論理」の三つのミステリーと「恋と禁忌の……?」のおまけの4編が収録されている。本書はミステリーなのだが、そ…
小川哲氏の嘘と正典を読んだ。本書は短編集で、「魔術師」、「ひとすじの光」、「時の扉」、「ムジカ・ムンダーナ」、「最後の不良」、「嘘と正典」の6編が収められている。巻末の初出一覧を見ると、最初の4編がSFマガジンで、「最後の不良」がPen、「嘘と正…
竹本健治氏の匣の中の失楽を読んだ。この本を読むのは2回目で、最初に読んだ時からは多分25年以上は経過していると思う。なので、細部に関してはあまり覚えていなかったし、この本の仕掛けについても、間違って記憶していた。主要な登場人物は12人で、彼らは…
三方行成氏の流れよわが涙、と孔明は言ったを読んだ。本書はSF短編集で表題作の「流れよわが涙、と孔明は言った」、「折り紙食堂」、「走れメデス」、「闇」、「竜とダイアモンド」の5編が収められている。表題作は明らかにディックの「流れよ我が涙と、警官…
伴名練氏のなめらかな世界と、その敵を読んだ。本書はSF短編集で、「なめらかな世界と、その敵」、「ゼロ年代の臨界点」、「美亜羽へ贈る拳銃」、「ホーリーアイアンメイデン」、「シンギュラリティ・ソヴィエト」、「ひかりより速く、ゆるやかに」の6編が収…