2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧
深緑野分氏の戦場のコックたちを読んだ。この本は単行本が出版されたときに、確か本の雑誌でも取り上げられていて、おもしろそうだと思った記憶があり、読もうと思った記憶もあるのだが、今まで読んでいなかった。すっかり忘れていたのだ。単行本の出版が201…
呉勝浩氏のスワンを読んだ。改めて今年坂口安吾の不連続殺人事件を読んで、「心理のミステリー」という言葉を再発見してよかった。この小説も心理の小説なのだ。この小説の構造自体はシンプルだ。埼玉県にある巨大ショッピングモール「スワン」で無差別銃撃…
長浦京氏のアンダードッグスを読んだ。この作品は北上ラジオの第21回で紹介されていた。長浦京の『アンダードッグス』(KADOKAWA)は息つく暇のない手に汗握る小説だ!【北上ラジオ#21】 - YouTubeどんな小説かと一口に言うのも難しいが、ある種のアクション…
東川篤哉氏の君に読ませたいミステリがあるんだを読んだ。三度目の恋ヶ窪学園を舞台にしたミステリーだ。だが、今回は探偵部ではなく、第二文芸部が舞台になっている。第二文芸部とは何か?実践的な活動を本分とし、最終的にはプロとして作家デビューをする…
リズ・ムーアの果てしなき輝きの果てに(原題 LONG BRIGHT RIVER)を読んだ。この作品は北上ラジオの第18回で紹介されていた。小説を読む醍醐味がつまった『果てしなき輝きの果てに』リズ・ムーア(早川書房)を寝食忘れて一気読みだ! - YouTubeハヤカワポケ…
川崎悟司氏のカメの甲羅はあばら骨を読んだ。地球上の生物には共通の形態があり、種が変わればその形態に違いがある。しかし、種が変わっても基本的な構造には共通性があるということが改めて分かる本だ。タイトルがそのものズバリを表してるが、カメの甲羅…
朱川湊人氏の鬼棲むところ 知らぬ火文庫を読んだ。今回の知らぬ火文庫は主に今昔物語を原典として、それに収録されている鬼に関する物語を基に組み立てられている。収録されているのは「鬼一口(伊勢物語 芥川/今昔物語 在原業平中将の女、鬼に噉らわるること…
朱川湊人氏の狐と韃 知らぬ火文庫を読んだ。日本霊異記(正式名称 日本国現報善悪霊異記)を基にして、それを大胆にアレンジして物語にしたのが本書である。短編集で、全八話収録されており、それぞれのタイトルは「サカズキというなの女」(狐を妻として子を生…
篠綾子氏のからころも 万葉集歌解き譚を読んだ。朝日新聞の書評のページにこの本が紹介されていた。book.asahi.com (2)の舞台は江戸日本橋。失踪した薬種問屋の手代が日記に残した『万葉集』ゆかりの和歌が、思いがけぬ謎解きの鍵となる。父の行方を求め…